夕日の丘

東京都の南には、伊豆諸島小笠原諸島を合わせた11もの離島が存在します。

都内から飛行機で1時間以内の日帰りリゾートから、長時間かけて海を渡る秘境島まで、どこも個性的!

手つかずの大自然で楽しむトレッキングや、青い海でのドルフィンスイムシュノーケリング、都内では見られない圧巻の星空まで、山にも海にも楽しいアクティビティが盛り沢山なんです!

今回は、そんな東京都の離島を、東京ルッチ編集部がご紹介!

実際に取材に行ったライターが考える各島のおすすめポイントアクセス情報、持っていけば絶対便利なアイテム情報までお届けしていきます!

一味違った国内旅行として島旅を考えている方、友人同士やカップルでの旅行を考えている方、気ままな一人旅の地を探している方、ぜひ最後までご覧ください。

東京都の離島はどこにある?

東京都の離島は、東京湾から南に下った伊豆諸島の9島(大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島)と、そこからさらに南下する小笠原諸島の2島(父島、母島)の計11島で構成されています。

どの島もそれぞれ東京都の“村”として登録されており、都内では絶対に見られない雄大な自然と美しい海に囲まれています。

同じ東京都は思えないほどの世界観の違いに、思わず感動してしまうこと間違いなしですよ!

伊豆諸島は比較的アクセスが良く、飛行機を使えば1時間以内で行ける島も。日帰りで訪れることも可能なので、週末などの短い期間で島旅を楽しめるのもメリットです。

対して小笠原諸島は、船しかアクセス方法がありません。父島までなら24時間、母島までならそこからさらに2時間もかかります。

海外に行くより時間がかかるので、同じ東京都なのに、“都心から世界で一番遠い場所”ともいわれているんです。

決して気軽には行けない島ですが、気候は沖縄のように温暖。山には小笠原にしかいない固有の動植物や、“ボニンブルー”と呼ばれる美しい海もあり、南国リゾートの気分が味わえますよ!

伊豆諸島

都心から最短25分!日帰り旅行しやすい「大島」

伊豆諸島最大の大島は、都心から120km南に位置しています。東京・竹芝客船ターミナルから高速ジェット船で1時間45分、飛行機であれば調布飛行場からわずか25分と、気軽に来られる島です。

大島の中央部には、御神火様(ごじんかさま)として島民に崇められている、島のシンボル「三原山」があります。

堂々とそびえ立つこの山の標高は758m、この山を満喫するならトレッキングがおすすめ。山頂を目指して歩いていくと様々な形の溶岩が見られ、中でも「ゴジラ岩」はフォトスポットとしても人気です。

ダイナミックな景色を楽しめる最大の見せ場は、火口の見学。直径300~350m、深さ約200mという圧巻の大きさです!

また、三原山の東側の一帯には、黒い火山岩で覆われた「裏砂漠」があります。三原山の度重なる噴火によってできた、一面に広がる黒い大地。その彼方に見える広大な海からはパワーをもらえるはずです。

火山島であることに加え、黒潮の恩恵を受けた大島の海は、透明度の高さだけでなく様々な生物に会えるのが魅力。

ダイビングを思い切り楽しみたい方はもちろん、フォトダイバーの方にもぴったりのにぎわいのある海です! 5~9月はハンマーヘッドシャーク、秋にはカラフルな来遊魚、1~3月はウミウシ深海生物が登場!

現在ビーチポイントとしてダイバーに開放されているのは5か所です。強風や台風の心配がある場合でも、島影となるポイントで潜れる可能性が高いので、一年を通して天候を気にせずに訪れることができます。

大島は東京から最短25分と、日帰りであっても十分に楽しめる、リフレッシュにぴったりな島です。手つかずの大自然の中で、息抜きや気分転換をしたい方はぜひ、訪れてみてください。

大島
アクセス 調布飛行場から飛行機で約25分
竹芝客船ターミナルから高速ジェットで1時間45分
竹芝客船ターミナルから夜行船で約6時間半
HP・SNS 大島観光協会 / X(旧twitter)

若者の移住先として人気!椿油が名産の「利島」


出典:利島村公式サイト

利島は東京から140km南に位置しています。3時間も歩けば一周できる小さな島で、人口も約300人と少ない中、20~30代の約80%が移住者です。

若者を引き付ける利島の魅力は、椿をはじめとした自然の恵みが多く見られることにあります。

島内で自生するヤブツバキは島の80%を占めており、その数は20万本にも及びます。2月下旬〜3月頃に見られる“椿のじゅうたん”では椿の赤色が一面に広がり、その光景は思わず心を奪われるほど。

ヤブツバキを使用した純度100%のオーガニックオイルは、お土産にもピッタリです! スキンケア用から食用まで色々な種類があるので、ぜひチェックしてみてください。


出典:利島村公式サイト

利島の南側に位置する南ヶ山園地は、新東京百景にも選ばれた景勝地。昼間は遊歩道を歩いていると、風の音や鳥のさえずりが聞こえてきます。

天気の良い日には伊豆諸島が一望できるので、ぜひ訪れてほしいスポットです。夜になると満点の星空が見られますよ♪ 自然が作り出す天然のプラネタリウムを楽しみましょう!

利島ではドルフィンスイムも体験できます。約20頭前後のイルカの群れが確認されたこともあり、運が良いとイルカから近づいてきてくれることも!

また、島のまわりには漁港が広がり、様々な魚が水揚げされています。船を少し走らせた先には釣りスポットがあり、春~秋にかけてはカンパチやシマアジといった高級魚が釣れますよ♪

運が良ければ海面でウミガメを見られることもあります。穴場の釣りスポットもあるので、釣りが趣味という方はぜひ利島旅行を視野に入れてみてください。

利島
アクセス 調布飛行場から飛行機で大島空港まで約30分、利島へセスナで約10分
竹芝客船ターミナルから大型客船で約9時間、高速ジェットで2時間20分
HP・SNS 式根島観光協会  /  X(旧twitter)

ミルキーブルーの海にモヤイ像!フォトスポット満載の「新島」

新島の前浜海岸

都内から飛行機で35分、ジェット船で2時間半の距離にある伊豆諸島の新島

“ミルキーブルー”と呼ばれる青い海は、夏になるとマリンスポーツをしに来る観光客に人気があります。

穏やかな波の前浜海岸と、迫力のある波を見ることができる羽伏浦海岸では、同じ新島でも違う海の顔を見ることができ、どちらも絶景です!

干物で有名なくさやは、実は新島が発祥で、島内では住民の方の手づくりが売られているんですよ。

石山展望台のモヤイ像

この顔をした石像に見覚えのある方も多いのではないでしょうか。渋谷駅の待ち合わせ場所にもよく利用されるモヤイ像です。

写真は新島の展望台にあるもので、渋谷駅のモヤイ像も新島から贈られたもの。新島でしか採ることのできない、コーガ石という石を掘って作られています。

新島にはモヤイ像が点在しており、レンタカーやレンタサイクルでモヤイ像巡りをするのも観光におすすめですよ。

新島ガラスのガラス玉

コーガ石を使ったガラスアートは、お土産に人気です。優しいオリーブ色のガラスは、コーガ石を熱して作られたもので「新島ガラス」と呼ばれます。

アクセサリーや食器など様々な用途に加工されており、新島内の各土産店で購入できます。

おすすめは「ガラスアートセンター」。新島ガラスを使った品物が買えるのと同時に、ガラスアーティストたちが作った作品を見ることができます。

夜の湯の浜温泉

新島に行ったら必ず行っておきたい「湯の浜露天温泉」は、24時間無料で入れる温泉です。

水着を着て入る混浴なので、家族連れにもぴったり!島民の方々の憩いの場でもあります。

島に住む方々は明るくオープンマインドな雰囲気なので、ばったり温泉で会った方とお話もできるかもしれませんね。

海や景色がとても綺麗で、どこを切り取っても素敵な写真を撮ることができます。何より人のあたたかさに触れられる新島は、その空間にいるだけでも楽しめる島です!

新島
アクセス 調布飛行場から飛行機で約35分
竹芝桟橋からジェット船で約2時間20分/大型客船で約8時間30分
HP・SNS 新島観光協会  / Instagram

無料で入れる!3つの海中露天風呂がおすすめ「式根島」


出典:式根島観光協会公式サイト

式根島は黒潮の流れに包まれている影響で、冬の気温は東京と比べると5~7℃ほど高く、1年中過ごしやすい気候です。

波が穏やかなリアス式海岸が特徴で、泊(とまり)、大浦、中の浦、石白川(いししろがわ)と、4つの代表的な海水浴場があります。中でもおすすめしたいのが、海水浴だけでなく磯遊びも楽しめる大浦海水浴場です。

夕暮れ時には雄大な夕日を眺められ、ゆったりとした時間を過ごせます。

温泉も人気の式根島には、無料で24時間入れる露天風呂が3か所もあります。鉈で割ったような地形からと名付けられた「地鉈(じなた)温泉」は、神経痛や冷え性に効果があることから、別名「内科の湯」とも呼ばれています。

外灯が少ないので、夜だと満天の星空の下で入浴できるのも魅力です! 入浴の際には水着が必要なので、忘れず持っていきましょう。

島内で唯一の無色透明な温泉「足付温泉」は、切り傷・すり傷、アトピー皮膚炎などに効果あり。別名「外科の湯」と呼ばれています。

すぐ近くに車が停められる「松が下 雅湯(みやびゆ)」は、島民の憩いの場。運が良ければ島民の方々と交流できるかもしれませんよ♪

島ならではのお土産を選ぶのも楽しみの一つです。式根島が誇る焼酎「しきね」「地鉈」「神引」は、島の特産品を使用し、じんわりとした甘みとまろみが特徴。お酒好きな方にはたまらない、旅の余韻に浸れる逸品です。


出典:式根島観光協会公式サイト

式根島にはタクシーがありません。島内は坂道が多く、移動にはレンタルサイクルバイクレンタカーがおすすめ。

フリーWi-Fiを設置している施設も多数あり、インターネット環境に困ることもほとんどありません。ワーケーションにももってこいな環境です!

式根島
アクセス 東京から船で3時間(高速船)、大型船で約10時間
調布から飛行機で新島へ約35分、連絡船で約15分
HP・SNS 式根島観光協会 / X(旧twitter)

星空観賞がおすすめ!神秘的な“水の島”「神津島」


出典:神津島観光ガイド公式サイト

神津島は水に恵まれた島で、伊豆諸島の中でも1位の漁獲高を誇ります。宿泊先の旅館や民宿では、名物の金目鯛を振る舞ってくれるところも多いです。

水は神津島にとって歴史のあるもので、それにちなんだスポットがたくさんあったり、水配り伝説という神話も残っています。


出典:神津島観光ガイド公式サイト

水配り伝説では昔、神津島の天上山に伊豆諸島に7人の神が集まり、命の源である水をどう配るか会議を開いたといわれています。

神津島と水の存在が密接であったことが分かりますね。さらに神津島では、昔からいたるところに湧き水が見られます。

東京都名湧水57選にも選ばれたつづき湧水、島民にもなじみ深い多幸湧水など、おでかけの際には水筒を持参して、色々な水の味を飲み比べてみるのもおもしろいですよ。


出典:神津島観光ガイド公式サイト

美しい夜空を保護するための「星空保護区」として、東京都で初めて認定されたのが神津島。

漆黒の闇の中で海風を感じ、目を開くと、そこには天然のプラネタリウムが360度のパノラマビューとして映ります。

6つの星空観賞ポイントがあり、中でも三浦湾展望台は南の水平線が望め、運が良ければ南天の星「カノープス」が見られることも。贅沢な星空散歩は、神津島観光の醍醐味です♪


出典:神津島観光ガイド公式サイト

標高572mの天上山は、登山・トレッキング初心者にもやさしい台形型の低山です。春先の山頂部では、島津島を代表とする花・オオシマツツジが色とりどりに咲き誇ります。その美しい景色は「花の百名山」にも選ばれているんですよ!

天上山では白地の砂漠低木帯といった、珍しい景色も見物です。その魅力を存分に楽しむなら、ネイチャーガイドの利用もおすすめです。

神津島は、自分自身の心と身体を浄化させるにふさわしい場所。アクティビティを楽しむのはもちろん、歴史探訪をしたい方もぜひ一度、訪れてみてください。

神津島
アクセス 東京竹芝桟橋から高速ジェット船で約3時間45分、大型夜行客船で約12時間
調布飛行場から新中央航空にて約45分
HP・SNS 神津島観光ガイド公式サイト

火山は作り出したダイナミックな自然が魅力!「三宅島」

三宅島は飛行機で1時間以内と、日帰りで行くことができる島です。島の中心に活火山・雄山を据えており、圧倒的な大地の力を肌で感じられます。

火山付近は立ち入り禁止区域とされているので気軽に見に行くことができませんが、その周りには手つかずの自然と火山によってが生み出された絶景が待っています。

また、三宅島は野鳥の生息密度がとても高く、別名“バードアイランド”とも呼ばれています。週末には都内から野鳥観察をしに来るバードウォッチャーの方もいるんですよ。

村営の自然観察施設「アカコッコ館」では野鳥の観察のほか、三宅島の自然について学ぶことができるので、そちらで勉強しながら観光するとおもしろさも倍増します!

海岸に突き出た「新鼻新山」は、1983年の噴火時にたった一晩でできたという火砕丘(かさいきゅう)です。

火口から噴出した岩石や火山灰が積もってできた場所で、真っ赤な断面は海に削られてむき出しになったもの。青い空と海とのコントラストがとても綺麗です。

人気ロックバンド・GLAYの「HOWEVER」 のMV撮影地としても有名なので、ファンの方は聖地巡りの一貫として訪れても楽しいはず。

島の阿古地区にある「火山体験遊歩道」。1983年の噴火により溶岩に飲み込まれた場所で、2007年に遊歩道が完成しスポット化されました。

真っ黒な溶岩流は190000㎡にわたって広がっており、進んでいくと当時被災した旧阿古小学校・阿古中学校の校舎も残っています。

現在は火砕流の隙間から緑が芽吹き、自然の驚異と力強さを同時に感じられるパワースポットにとして親しまれています!

歩いて15分圏内で山と海、どちらも楽しめるのは三宅島の魅力の一つ。透明度抜群の海は、ダイビングシュノーケリングにピッタリです。

運が良ければ海面に上がってくるウミガメやクジラも目撃することができます。

リゾート化はされていませんが、だからこそ残っている自然の雄大さを感じられるのが三宅島。移動する度に様々な絶景に出会うことができるので、カメラやサイクリングなどが趣味の方にもおすすめです。

三宅島
アクセス 調布飛行場から飛行機で約50分
竹芝桟橋から船で約6時間30分
HP・SNS 三宅島観光協会公式サイト / X(旧twitter)

ドルフィンスイムならココ!人懐っこい野生のイルカに会える「御蔵島」

御蔵(みくら)島は人口わずか300人あまりと小ささ、緑色のお椀を伏せたような丸みのある形をしています。

この島の魅力は、野生のイルカと一緒に泳げること! 大海原の中を優雅に泳ぐイルカ達は御蔵島に定住しており、人懐っこい性格が特徴です。

船上からイルカウォッチングも可能、小さなお子様から大人まで楽しめる、ワクワク感たっぷりのアクティビティです。

御蔵島の山を訪れる際には、一部を除きほとんどのコースでガイドの同行が必要です。ハイキングのコースは10種類ほどあり、山ならではの植物や、ミクラクロヒカゲミミズクといった生き物がみられます。

また御蔵島にはオオミズナギドリという海鳥が生息しており、昔に比べて数は減ったものの、今でも80万羽が生息しているといわれています。タイミングが良いと、夜間の里の道などで遭遇することもあるかもしれません!

散策コースはアップダウンがあるので、歩きなれた靴やトレッキングシューズを用意しましょう!


出典:ふくまる商店 Facebook

グルメスポットが少ない御蔵島の唯一のお土産屋「ふくまる」のジェラートは、島の食材を使った人気のグルメです。

島特産「明日葉(あしたば)」というセリ科の植物を使った「あしたばジェラート」は、明日葉を食べたことがない方も美味しく楽しめます♪

御蔵島の観光では、気を付けておくべきポイントも。キャンプや自転車乗りが禁止されていたり、日帰りでの来訪は不可など独自のルールが存在します。来島前に観光協会の公式サイトを見ておくのがおすすめです。

島の里中は、半日程度で歩き回れるほど小さいので、のんびりと気ままに過ごしたい方にはぴったり♪

御蔵島
アクセス 東京竹芝桟橋から大型客船で約7時間30分
調布から小型機で三宅島まで約45分、更にヘリコプターで御蔵島まで約25分
HP・SNS 御蔵島観光協会  / facebook

“常春の島”ともいわれるリゾート島!「八丈島」

八丈島は、東京都でありながら四国・九州地方と同じくらいの緯度で、“常春(とこはる)の島”とも呼ばれています。羽田空港から1日3往復の直行便があり、搭乗時間もたったの55分です。

かつてハネムーンに選ばれていたほど、リゾート地としての歴史がある八丈島。夏季は海水浴マリンアクティビティ、冬季は山でのトレッキングハイキングを楽しむ人で今も賑わっています。

島の東西に分かれ「八丈富士」と「三原山」の2つの山があり、どちらも登山ができます。特に火山ならではの絶景を堪能できる「八丈富士」が人気。

きちんと装備を整え、ガイドさんに付いてもらえれば、火口をぐるっと一周する貴重な「お鉢巡り」も体験できますよ!

7合目までは車で行けるため、登山口から50分ほどで火山の縁まで登れます。

山に登らなくても、7号目の「ふれあい牧場」はぜひ訪れてほしい絶景スポットです。パッとひらけた山肌に牛が放牧されており、島の町や港、水平線まで一望できますよ。のどかで、とっても心安らぐ空間です。


一般社団法人 八丈島観光協会

島の天気は変わりやすいものの、八丈島は雨の日でも楽しめるスポットがたくさんあります。

島内には小さな温泉が点在しており、数百円から無料で入湯できるところも。海をぼーっと眺められる、足湯スポットもあります。

さらに、伝統工芸を体験できる「黄八丈織り」や、島をもっと深く知れる「八丈植物公園/ビジターセンター」、島焼酎の「蒸留所見学」も。

▲八丈島の郷土料理「島寿司」

島内をのんびりドライブしながら、島カフェ・島グルメ巡りするのもおすすめです!夜はお宿でゆっくりと、郷土料理をいただきながら島焼酎を嗜むのはいかがでしょう?

思い立てば、この週末にでもすぐに足を運べる「八丈島」。友人や家族と訪れるのはもちろんのこと、”自分時間”を満喫するひとり旅も歓迎してくれるあったかい離島です。

八丈島
アクセス 羽田空港から飛行機で約55分
竹芝桟橋から夜行船で約10時間20分
HP・SNS 八丈島観光協会 / Instagram

世界的にも珍しい景色が見られる!絶海の孤島「青ヶ島」


出典:青ヶ島村公式

八丈島を経由してたどり着く青ヶ島は、ヘリコプターや船の就航率が低く、上陸する難易度が高いことで知られています。

だからこそ圧巻の景色や島ならではの体験を通じた、プレミアム感溢れるひと時を過ごせますよ。岡部地区の集落にある尾山展望公園では、標高400mの地点から360度に広がるパノラマの景色が広がります。

北は八丈島、南は世界でも珍しい二重カルデラ、そしてそれらを取り囲む太平洋と、まさに絶景そのものを目の当たりにできます。

池之沢地区にある「ひんぎゃ」は“火の際”を語源とした島言葉であり、地熱により地面から噴出する水蒸気が見られるスポットです。

ひんぎゃの熱を活用した複合温泉施設である「ふれあいサウナ」は、約60℃で天然の地熱蒸気を体感できます。身体の芯まで温まり、観光客のみならず村民の集い場とされているこのサウナは、心までほっこりさせてくれますよ。


出典:青ヶ島役場公式サイト

島自体が外輪山となっており、その火口内にある内輪山「丸山」。それを30分ほどでぐるりと一周できる「丸山遊歩道」では、ハイキングが楽しめます。

金太(きんた)とよばれる、低くなった外輪山のすき間から覗く太平洋の景色がとても綺麗なのでぜひ撮影を!

更に道中には「御富士様」という神様が祀られており、火山への畏敬の念をこめたものとして、村民からも崇められています。

日本一人口の少ない青ヶ島は、夜は光源が少ないことから星空もほかの島に比べてひときわ美しいのも魅力。訪れた際にはぜひ夜空を見上げてみてください。ゆったりとした時間が流れる“絶海の孤島”で、自然に身をゆだねるたびも良いですね♪

青ヶ島
アクセス 東京竹芝桟橋から船で約11時間
羽田空港から飛行機で約50分、ヘリコプターで約20分
HP・SNS 青ヶ島村公式サイト / X(旧twitter)

小笠原諸島

都心から24時間!ボニンブルーと戦跡巡りがおすすめ「父島」

父島は、都内から大型船「おがさわら丸」に丸一日乗ってようやく到着できる島です。

小笠原諸島で最初に感動するのは、きっとこの鮮やかで美しい海の色。“ボニンブルー”とも呼ばれる小笠原でしか見られない海では、ドルフィンスイムシューケリングなどのマリンレジャーが楽しめます。

父島は陸からも海からもクジラを目撃できる珍しい場所としても有名。小笠原を繁殖地域とするザトウクジラや、島から10~30km程度離れた沖で見られるマッコウクジラなど、年間を通して様々なクジラの姿が見られます。

陸上から見るなら「ウェザーステーション展望台」がおすすめ。夕日スポットとして島民からも愛され、夕方になるとたくさんの人が集います。海から見るならホエールウォッチングツアーに参加しましょう!

父島は戦争の舞台となった過去があり、島内には戦跡がたくさん残っています。豊かな自然の中に突然防空壕大砲が現れたり、銃撃の痕が見られる建物など、これらは凄惨な過去を物語る貴重な遺物です。

ガイドによる戦跡ツアーも行われており、改めて平和について考えるきっかけにもなるはず。

美しい陸と海を持つ父島で南国リゾート気分を味わうのも最高ですが、戦跡はココでしか見られないものも多いので、興味があればぜひ参加してみてください。

私は戦跡をメインに父島を巡りましたが、普通に生活していては出会えない景色がたくさんありました。島でしかできない体験を重視している方もぜひ!

父島
アクセス 竹芝客船ターミナルから「おがさわら丸」に乗って24時間
HP・SNS 小笠原村公式サイト / Instagram

固有種だらけの山と絶景が楽しめる「母島」

母島は、父島の二見港から「ははじま丸」に乗って2時間の島です。父島と同じ小笠原諸島ですが、気候はこちらの方がより温暖。亜熱帯に属しているので、夏は本土並み、冬場は本土よりかなり暖かいです。

ボニンブルーの海にはカラフルなサンゴ礁や熱帯魚が回遊し、ダイビングシュノーケリングなど、ダイナミックなマリンレジャーが魅力。

海水浴や釣りもでき、透明度抜群の海だからこその景色が見られます。

島内には、固有種や希少種も多く生息する神秘の森「乳房山」があります。ここでしか見られない迫力満点の原生林野鳥のほか、絶景など様々な楽しみが詰まっていますよ。

ネイチャーツアーも行っており、ガイドさんの話を聞きながらのトレッキングやハイキングで濃い時間を過ごせます。

また、昼だけでなくナイトツアーも実施。満点の星空や天然記念物のオガサワラオオコウモリ、さらに暗闇で光る不思議なキノコ・グリーンペペなど、夜だからこそ見に行きたい自然や動植物も見物です。

母島は元旦の初日の出を日本で一番早く見られる場所でもあります。島の南にある小富士(こふじ)では、毎年初日の出の登山が開催されているんですよ。

山道を歩いて行くのは結構大変ですが、島を代表する絶景スポットなのでぜひチャレンジしてみてください。道中も見晴らしのいい場所が多く、思い出になります♪

島にはバスやタクシーがないので、移動にはレンタカーやレンタルバイクがおすすめ。気ままな島めぐりで、雄大な自然と海を堪能しましょう!

個人的に気に入ったのは小富士にたどり着くまでの道のり! 原生林が生い茂る山を2~3時間かけて上った後の絶景は、何物にも代えがたい達成感がありました!

母島
アクセス 父島から「ははじま丸」に乗って2時間
HP・SNS 母島観光協会公式サイト / Instagram

離島旅行ではここに気を付けよう!

「島の服装ってどうすればいいの!?」
「何を持っていくのが正解なの!?」

これは編集部全員が出発前に口にしていた台詞です。島に持っていく荷物って、ネットで調べられはするけど結構迷いますよね。

ここでは、実際に島へ取材に行った編集部員の声を参考に、島での服装や持っていくと便利なアイテムを紹介していきます。

島の気候と服装について

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▲実際に島に行った取材班の服装例 ※季節は秋冬ですのでご了承を…!

どちらの島々も、基本的に“都内よりは”夏は涼しく、冬は暖かいのが特徴です。しかし、伊豆諸島は海洋性気候小笠原諸島は亜熱帯気候に属すため、その気温差は全然違います。

伊豆諸島の平均気温は、夏は25℃前後、冬は10℃前後。意外と冬は寒いんです。

小笠原諸島の平均気温は、夏は30℃近く、冬は20℃近くと1年を通してかなり暖かい気候。朝晩は少し肌寒く感じるときもありますが、ウィンドブレーカー薄めの羽織物があれば十分なはずです。

自身の来島時期に合わせて、気温を調べたうえでしっかり準備していきましょう! ちなみに島の天気は変わりやすいので、特に登山の予定がある方は撥水性のある上着があると便利。

母島では、雨天時の登山で上着をきたら熱中症になったという話も聞きました。事前に各島の情報をしっかり調べてから行くのがおすすめです。

宿・移動手段は絶対に事前予約!

離島への旅行の際、宿泊先やレンタカーなどの移動手段は絶対に事前予約しましょう!

というのも、島では宿や移動手段は数に限りがあるため、当日飛び込みだと利用できない…なんてことは珍しくないんです。

せっかく島まで来たのに泊まるところがない!車で巡ろうと思ったのに全部予約で埋まってた!なんてトラブルを避けるためにも、事前準備はしっかりしていきましょう。

編集部が選ぶ!持って行って良かったアイテム

・モバイルバッテリー

これは島じゃなくてもあると嬉しいアイテムですが、観光中は特に一日中外にいる日が多くなると思います。スマホだけでなくカメラを持っていくという人も充電に使えるので、持って行って損はありません!

・超広角カメラ機能があるスマホ、セルカ棒

“超広角”というのが需要です。島の雰囲気やダイナミックな景色の撮影がしやすく、観光も一層楽しくなりますよ! またセルカ棒も島の撮影では大活躍!

ちょっと上から景色を取りたい時、グループ旅行なら絶景とともにみんな一緒に写ることができます。思い出をしっかり残したい方はぜひ!

・免許証

レンタカーやレンタルバイクで移動するなら必須。レンタサイクルもありますが、急こう配が多い島もあるので、快適に移動するなら自動で動いてくれる乗り物の方がおすすめです。

・紙の観光マップ

島には電波が届かない場所も多いので、マップを現物で持っておくと超安心です。空港や観光案内所に置いてあるので、見かけたら調達しておきましょう。

各島の観光協会公式サイトからガイドブックをダウンロードしておくことも可能です。

・懐中電灯

島の夜は思ったよりも暗いです。基本的に外灯が少ないので、夜に出歩く計画がある方は、足元が照らせる物があると便利です!

・複数口あるコンセントプラグ

スマホに、モバイルバッテリー、カメラ……旅の思い出を記録するには、電子機器も色々必要ですよね。

部屋にコンセントが少ないと充電に時間がかかるので、一気にできるよう複数口のコンセントプラグがあると便利!

各島へのアクセス方法

東京都の離島へは、島によって様々なアクセス方法があります。それぞれにメリットがあるので、自身の旅の計画や予算に合った方法を選びましょう!

移動時間最短を狙うなら【飛行機】

▲調布飛行場から飛んでいる新中央航空の小型飛行機

飛行機で行く最大のメリットは、移動時間が短く済むこと。どの島にも1時間以内で行くことができるので、日帰り旅行や観光の時間をしっかり確保したい方におすすめです。

料金はどの島へ行くにも、大人で片道10,000円以上。空から関東の街並みを見下ろしながらの移動は、リッチな気分を味わわせてくれます。

飛行機は、羽田空港と調布飛行場から運行しています。八丈島へ行くなら、羽田空港からANA航空に乗りましょう。

京王線調布駅からバスで15分程度の調布飛行場では、新中央航空のジェット機に乗って、大島・新島・神津島・三宅島に直接行くことができます。

利島へ行く場合、羽田空港や調布飛行場から一度大島へ上陸し、大島からヘリコプターを使う必要があります。また式根島へは、新島へ飛んでから連絡船「にしき」に乗り換えて10分です。

▼調布飛行場から島に行く方法

【大 島】調布飛行場⇒東京大島かめりあ空港まで25分
【新 島】調布飛行場⇒新島空港まで35分
【神津島】調布飛行場⇒神津島空港まで40分
【三宅島】調布飛行場⇒三宅島空港まで45分
【利 島】調布飛行場⇒大島を経由し、ヘリコプターに乗り換えて10分
【式根島】調布飛行場⇒新島を経由し、連絡船「にしき」に乗り換えて10分

調布飛行場へは、調布駅北口から調布飛行場行くの小田急バス乗車し約15分

調布飛行場での料金や時刻表など、詳しくは公式サイトをご確認ください。

 

▼羽田空港から島に行く方法

【八丈島】羽田空港⇒八丈島空港まで55分

羽田空港へは、品川駅から京急線エアポート快特へ乗車し約13分

羽田空港からの料金や時刻表など、詳しくは公式サイトをご確認ください。

時間と費用をバランスよく【高速ジェット船】


出典:東海汽船公式サイト

ゆりかもめ線竹芝駅に隣接している竹芝客船ターミナルからは、東海汽船の高速ジェット船「セブンアイランド」が利用できます。

通常、船での移動は時間がかかりますが、高速ジェット船なら2~3時間程度と長すぎないのがポイント。日帰り旅行にももってこいです。

また水中翼によって船体を浮かせながら滑空するため、早いかつ揺れない快適な船旅が楽しめます。料金も10,000円以内と飛行機よりリーズナブルなので、移動時間と移動費をバランスよく抑えたい方におすすめです。

三宅島・御蔵島・八丈島へは運航していないのでご注意を。

▼高速ジェット船で行ける島

【大 島】竹芝客船ターミナルから最短1時間45分
【利 島】竹芝客船ターミナルから最短2時間25分
【新 島】竹芝客船ターミナルから最短2時間20分
【式根島】竹芝客船ターミナルから最短2時間20分
【神津島】竹芝客船ターミナルから最短3時間5分

竹芝客船ターミナルは、ゆりかもめ線竹芝駅隣接。JR浜松町から徒歩10分、都営大江戸線大門駅から徒歩8分

高速ジェット船の料金や時刻表など、詳しくは東海汽船公式サイトをご確認ください。

夜のうちに移動するなら【大型船】

▲竹芝と父島を結ぶ大型船「おがわさら丸」

高速ジェット船と同じく竹芝客船ターミナルからは、大型船も就航しています。移動時間はかかりますが、夜行船がメインのため船で宿泊しながら移動できるのがメリット。

夜のうちに大型船で移動して、翌日の朝から島での観光を満喫するという方法も叶います。

伊豆諸島へと運んでくれるのが「さるびあ丸」。席のグレードやシーズンよって料金は変動しますが、最安なら飛行機や酵素機ジェット船よりも安く移動できます。

小笠原諸島へは「おがさわら丸」というまた別の船で行きます。こちらは24時間もの間運航するため、料金も最安で大人1人30,000円ほど。

島から島への移動も大型船が利用できるので、島をハシゴ旅したい方もぜひチェックしてみてください。

▼大型船で行ける島

【大島】竹芝客船ターミナルから最短6時間
【利島】竹芝客船ターミナルから最短7時間35分
【新島】竹芝客船ターミナルから最短8時間30分
【式根島】竹芝客船ターミナルから最短9時間
【神津島】竹芝客船ターミナルから最短9時間55分
【三宅島】竹芝客船ターミナルから最短6時間30分
【御蔵島】竹芝客船ターミナルから最短7時間25分
【八丈島】竹芝客船ターミナルから最短10時間20分
【父島】竹芝客船ターミナルから24時間

竹芝客船ターミナルは、ゆりかもめ線竹芝駅隣接。JR浜松町から徒歩10分、都営大江戸線大門駅から徒歩8分

こちらの記事では、おがさわら丸の乗船レポートをお届け! 宿泊部屋や設備、食事、乗船時のポイントついてまとめているので、ぜひ参考にしてください♪

各料金や時刻表などは、公式サイトでご確認ください。

 

島から島への移動は【ヘリコプター】を!


出典:東京愛らんどシャトル 公式サイト

島から島へと移動したい時は、「東京愛らんどシャトル」のヘリコプターを利用しましょう。

毎日運航しており、八丈島⇄青ヶ島、八丈島⇄御蔵島、御蔵島⇄三宅島、大島⇄三宅島、大島⇄利島をそれぞれ繋いでいます。

料金は平均10,000円越えと割高ですが、島から島へとハシゴ旅したい時にはおすすめです。ただし1人当たりの手荷物の重量制限が5kgと少なめで、超えた場合は追加手数料がかかります。

大きな荷物を抱えての移動にはあまり向いていません。一度に乗れる人数は9名なので、利用する際は早めの予約がおすすめです。

東京の島で贅沢な非日常時間を味わおう

東京都に属しながらも、独特の文化や歴史を育んでいる伊豆諸島・小笠原諸島の島々。

のんびりとした雰囲気や素晴らしい自然、青い海…都内とは思えない景観ばかりなので、一味違った国内旅行を考えている方はぜひ候補に入れることをおすすめします。

一人旅やデート旅行、卒業旅行などの思い出に、ぜひ東京の離島で旅行を楽しんでくださいね!

《執筆:りぶにこる・ゆかりごはん/編集:ゆかりごはん》

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