みなさんこんにちは。東京ルッチ編集部のゆかりごはんです。
小笠原諸島って行ったことありますか? 小笠原は、都内から船で24時間かけて移動しないと行くことができない場所。竹芝にある「竹芝客船ターミナル」と小笠原諸島を結ぶ大型客船「おがさわら丸」の中で、丸一日過ごすことになります。
海の真上は電波が届かず、その環境で24時間過ごすってすごくないですか…?
私も先日乗船してきた人間のひとり。こんなに長い船旅は人生初だったので最初は不安がっていましたが、船酔い以外はいたって快適だったんです!
今回はそんな「おがさわら丸」の乗船レポをお届けします。小笠原諸島に興味がある人、実は今度乗る機会があるよって人の参考になれば幸いです。
目次
竹芝客船ターミナルから乗船!
「おがさわら丸」には、ここ「竹芝客船ターミナル」から乗船します。ゆりかもめ線竹芝駅に隣接しているほか、JR線浜松町駅、都営三田線・大江戸線大門駅からも歩いて10分程度で行けますよ。
到着したら、まずは受付でチェックインしましょう。その際に部屋番号が書かれた乗船券を発行してもらえるので、なくさないように!
その後は乗船まで待機することになるので、ターミナル内のレストランで食事をとるもよし、愛らんどショップでお土産やガイトブックを物色するも良しです。
時間がきたら「部屋番号●●番台の方〜」という感じで呼ばれるので、順番に乗船していきます。
「おがさわら丸」の出航時、竹芝桟橋は見送りの人でにぎわっています。乗船客のみなさんも部屋に荷物を置いたらすぐデッキに大集合。
桟橋にいる友人や家族の方などと、大きな声で別れの挨拶を交わしていました。
おがさわら丸の運航は基本、6日に一度。
どんどん遠のいていく桟橋と手を振り続ける人々の姿を見ていると、「これからものすごく遠い場所へ行くんだな」という寂しさと、小笠原へのワクワクした気持ちが湧いてきます。
いざ船内へ!気になるお部屋や設備をチェック
船内は2~8階まで
出典:公式サイト
おがさわら丸は2~8までの階層の分かれています。8階は甲板で、7階から下に宿泊エリアになっています。
今回は5階のお部屋に泊まりました。
今回の宿泊部屋をチェック!
船内のお部屋は等級によって分けられており、雑魚寝タイプからドミトリー風、個室まで色々あります。
今回宿泊したのはドミトリー風の「特2等寝台 プレミアベッド」というお部屋。2部屋で一区画としてカーテンで仕切られているほか、個々のベットもカーテン付きなのでしっかりプライベートを確保できます。
身長149cmの私が横になるとかなりの余裕が。ちなみに同じ船だった身長188cmの男性は、横になってもギリギリ身体が入り切ったそうです。大柄な方でも意外と大丈夫!
設備は読書灯、テレビ、コンセント二口に、ハンガーが一つととてもシンプルです。
細かな荷物は広げられますが、大きなものは各部屋の入口付近にある荷物置き場に置いておきましょう。
トイレと洗面室は別
トイレと洗面は別室になっています。
女性用の洗面室には鏡とコンセント、さらに紙コップがあるので、ここで快適に身支度できますよ。
化粧などをする際、鏡の下にちょっとしたものが置けるのは、地味に嬉しいポイントです。
入浴はシャワールームで
お風呂はありませんが、各階にシャワールー厶は完備されています。脱衣スペースとシャースペースはカーテンで仕切る形です。
ボディーソープとシャンプーはありますが、こだわりのある方は持参するのがおすすめ。タオルもないので、持参するか、船内の「ショップドルフィン」またはアメニティ用の自販機などで購入する必要があります。
シャワーは温度調節が可能で、水量も申し分なし! 体の汚れをしっかり落とすことができます。
シャワー室にはドライヤーが完備されています。混んでいるときは争奪戦になるので、入浴は早めに済ませましょう!
【6F・4F】食事処は2か所
船内には6階「展望スカイラウンジ」と4階「レストラン Chichi-jima」の2つの食事処があります。
「展望スカイラウンジ」はお酒や軽食、スイーツなどが充実。大海原を見渡せるカウンター席と、グループで語らえるソファ席があります。飲みながらゆっくりしたい方はまずこちらを利用してみてはいかがでしょう。
「レストラン Chichi-jima」は定食や麺類、洋食などしっかりとした食事メニューが豊富。島の素材を使った魚も味わえます。
船の揺れで動かないよう、テーブルやいすは全て床に固定されていました……! 食べ物も揺れることがなくて安心でした。
今回の船旅で特に美味しかったのが「サワラのレアカツ定食」。みずみずしいサワラとカツのサクサク食感が絶妙です。味付けはお塩のみですが、これが魚を旨味をより引き立て、シンプルなのにご飯がどんどん進みます!
「おがさわら丸」に乗ったなら、ここで島の味を堪能しながら旅での楽しみに思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
展望スカイラウンジ | 東京⇒父島 11:00~21:00/7:00~10:00 父島⇒東京 15:00~21:00/7:00~14:00 |
レストラン Chichi-jima | 東京⇒父島 11:15~14:00/17:30~21:00/7:00~10:00 父島⇒東京 17:30~21:00/7:00~9:00/11:30~14:00 |
【6F】ショップドルフィン
「ショップドルフィン」には、旅を充実させる様々な品物が揃っています。お茶やコーヒーなどの飲み物、衛生用品やお菓子、冷凍食品、本や雑誌、お土産物、さらにおがさわら丸オリジナルグッズまで、品数は豊富です。
さっき紹介した入浴時のタオルもここで買えますよ。食事処に行くほどお腹空いてないな…という時はここで済ませることもできます。
ショップドルフィン | 東京⇒父島 11:00~21:30/7:00~9:30 父島⇒東京 15:30~21:30/7:00~14:30 |
【3F】ミニサロン南島には自販機やカウンターが!
「ミニサロン南島」は、飲み物やフード、歯ブラシやタオルなどアメニティの自動販売機が設置されています。お酒も置いているので、食事処やショップが閉まった後でもここに来れば安心。ほしいものが大体見つかります。
ウォーターサーバーや給湯器もあるので便利です。喫煙所も併設されています。
自由に使えるカウンター席と立ち飲みスペース(と勝手に思っている)もあり、部屋に帰らずともここで飲食できますよ。
【3F】キッズルームやペットルーム、授乳室なども
お子様連れの方やペット連れの方も乗船する「おがさわら丸」。船内にはそのためのお部屋も存在します。
キッズールームはふかふかの床と、壁には可愛らしい魚の絵が描かれています。
おもちゃや遊具はないので、荷物になりますがお子様のお気に入りを持っていったほうがいいかもしれませんね。
ペットルームは飼い主以外立入禁止です。
知って損なし!乗船時のポイント
電波なしでも長時間過ごせる工夫をしよう
東京湾内を進んでいる間はネットは問題なく使えます。問題はその先。電波がまったく入らなくなるので、長時間過ごせるアイテムを自分で用意していく必要があります。
食堂で小笠原観光のレクチャーが行われていたので、私はそちらに参加したり、デッキできれいな海を眺めながら読書したり、あとは寝ていました(笑)。
他の方はNETFLIXで事前にダウンロードしておいた映画などを見たり、学校の課題をやっていたりと思い思いに過ごされていましたよ。
支払いは基本現金、交通系ICカードもOK
船内での支払い方法は現金がメイン。モバイルではない交通系ICカードも使用することができました。
電波がないのでクレジットカードが使えないんですよね。普段キャッシュレス派という方も、現金をしっかり準備していきましょう。
リラックスできる服や履物があるとより快適
船内では長い時間を過ごすことになるので、リラックスできる服や履物があると快適です。
スウェットやジャージ、ゆったりとしたワンピース、サンダルなどを準備していきましょう。
酔い止めは絶対飲んでおこう
「普段全然船酔いしないから大丈夫です~」と高をくくっているあなた、要注意です! おがさわら丸の揺れをナメてはいけません……!
言うなれば激しく上下するメリーゴーランドに24時間乗っているような感覚。酔い止めなくして快適な船旅はないと思っていただきたい!
一緒に乗っていた人は、酔いがひどくて嘔吐したり、下船するまでずっと寝込んだりするレベルでした。
出典:エスエス製薬 公式サイト
おすすめの酔い止めは、小笠原島民も愛用しているエスエス製薬の「アネロン」。私も嘔吐する寸前までいきましたが(笑)、これを飲んだ後はかなり楽になりました。
貴重品はロッカーに入れるか、持ち歩こう
個室を予約しない限り、部屋には鍵がかかりません。貴重品の管理は慎重に!
船内には貴重品用ロッカーがあるので、そちらの利用がおすすめです。またサコッシュなど手軽に持ち運べる鞄を用意し、貴重品を常に身に着けておくのも良いでしょう。
乗船料金について
おがさわら丸の料金はシーズンによって変動します。下記の表は2023年5月時点での料金なので、参考程度に見ていただけると幸いです。
実際に乗船する際の料金については、公式サイトでご確認ください。また、個室である特等室・特1等室・1等室を1名で貸切る場合は、別途貸切料金がかかるのでご注意を!
等級 | 特等室 | 特1等室 | 1等室 | 特2等寝台 | 2等寝台 | 2等和室 |
大人 | 83,140円 (+12,690) |
75,320円 (+11,490) |
58,410円 (+8,910) |
42,190円 (+6,440) |
31,780円 (+4,850) |
27,900円 (+4,260) |
学生 | 74,710円 (+11,410) |
66,890円 (+10,210) |
49,980円 (+7,630) |
33,760円 (+5,160) |
25,430円 (+3,880) |
22,320円 (+3,400) |
こども | 41,570円 (+6,340) |
37,660円 (+5,740) |
29,210円 (+4,460) |
21,100円 (+3,220) |
15,890円 (+2,420) |
13,950円 (+2,130) |
※運賃には、燃料油価格変動調整金を含みます。( )内が調整金額です。
※運賃には、消費税が含まれます。
※学生割引は2等和室・2等寝台・特2等寝台に適用し、大人料金の20%割引です。
※その他の等級をご希望の学生は、別途差額料金が必要となります。
※島民割引は2等和室・2等寝台・特2等寝台に適用し、大人料金の30%割引、島しょ出身学生割引は大人料金の35%割引となります。
※身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者(ご本人及びその介護者又は付添人1名)割引は全等級対象(運賃の50%割引)
予約方法について
おがさわら丸の乗船予約は出航の2か月前から可能です。予約方法はいくつかありますが、今回は代表的なWEB予約・電話予約、当日購入をメインに紹介していきますね。
WEB予約
WEB予約は公式サイトから可能。無料会員登録が必要で、支払い方法はクレジットカードのみです。
一度で最大6名分まで予約できます。予約の際は全員の名前、住所、年齢が必要になるので、複数人で行く場合は事前に代表者に伝えておくのがベターです。
注意点なども多いので、WEB予約の際には予約ページに記載されている内容をしっかり確認しましょう!
電話予約
電話予約は平日10時~16時(現在時短営業中)で受け付けています。土日祝日や年末年始は利用できません。
予約すると自宅に予約確認書が届きます。その後料金を指定口座に振り込むと、搭乗券が改めて郵送されてくるという仕組みです。
当日購入
当日購入できるのは、各等級船席に空席がある場合のみです。出航当日の朝10時から、竹芝客船ターミナルの4番窓口で販売されています。
基本的には事前に予約しておくのがおすすめですが、万が一当日乗らなければいけなくなった際は、先に電話で確認してみましょう。
まとめ
おがさわら丸の中身や料金、予約方法などをズラズラ~っと紹介してまいりましたが、いかがだったでしょうか?
乗る前はまず料金を見て目が飛び出るかと思いましたが、乗って納得。長時間進み続けるための燃料や中の充実した設備のことを考えると「確かにこれだけかかるよなぁ…」と腑に落ちました。
今回はプライベートが確保できるお部屋を予約したのもありますが、船酔い以外は本当に快適だったので、今となっては貴重な体験ができたと感じています。
小笠原諸島での旅もとっても楽しかったので、また乗る機会に恵まれたら嬉しいですね。みなさんも小笠原諸島に行く際は、24時間の船旅をステキに過ごしてみてください!