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世の中には様々なエンターテイメント、エンタテイナーが存在し、それらと出会うためにはそれなりの代金を支払い、ちょっとした小旅行をしなければならないことが往々にしてあります。しかし、東京・日暮里の地にそんな概念を覆す“飲食店”があることをご存知ですか?ということで今回は、“ウザさ”が自慢の極上エンタテイナーによるおもてなしエンターテイメントで、訪れた全ての人を笑顔で帰す「ザクロ」の中身をレポート。濃口企画となっております。
谷中名物「ザクロ」
小雨の降りしきる中、電車を乗り継ぎ「日暮里」駅に降り立った筆者。片手に傘を持ちうだうだと歩き進めること約5分、夕焼けだんだんの名で有名な谷中銀座商店街入り口の階段を降りてすぐの場所にイラン・トルコ・ウズベキスタン料理レストランの「ザクロ」があります。
店主の写真風イラストが描かれた、ひときわ目を引く看板。すでに店先からエンターテイメントの匂いがプンプン漂っています。
店先には、中東雑貨を手に取る観光客や、カオスな雰囲気に吸い寄せられるように足を止める人々がちらほらと。
雨の気だるさどこへやら。異国情緒漂う佇まいから醸し出される“他とは違う”感に、好奇心のまま飛び込んでみた。
入店
店内に入ってまず驚かされるのが、天井を覆い隠すように吊り下げられた無数のトルコランプ。
また、店先や店内に飾ってある雑貨や装飾類はほとんどが売り物で、1,000円で買えるものもあれば3万円以上の高級品まで取り揃えています。
※なんとこちらの雑貨や装飾類が只今、半額以下でセールをしているそうです!(安い!)
トルコランプのモザイクの彩光に照らし出されるきらびやかな装飾類は美しいの一言です。
床に座って食事をいただく本格的な中東スタイル。はて、さっきの入り口ってどこでもドアだったんか?と一考させる空間が広がります。
早速床に敷かれたクッションに座り込み、圧倒的パワーワードと内容で大人気の「食べきれないコース(2,000円)」をオーダー。
「食べきれないとはいえ、想像の範疇を超えることはなかろう」とタカをくくっていた筆者。この発言の全面撤回を求める展開になるとは夢にも思わなかった。
コース
おかわり自由の香り豊かなチャイで冷えた体を温めながら待つこと数分。
どんぶらこっこすっこっこと運ばれてくる料理たち。いやもうすでにテーブルパンパンですよ。(2人分)
「めっちゃ料理でてくる」というネットの情報を頼りに、お腹を空かしてきた甲斐があったな。と早速いただく筆者。そしていつのまにか店員さんに帽子をかぶらされてる筆者。
これは前菜なのか?もうすでにメインなのか?はたまたその概念自体取り払ったほうがいいのか?と戸惑いながらも、運ばれてきたラムの煮込みや豆の煮込み、サラダや甘く煮たお芋を平らげないことには次に進まないと察した筆者は順次食べ進めることに。これがまた日本人の口にも合うのですんなりいけてしまいます。
ご満悦まんまるフェイスよりも大きなナンも運ばれてきました。
ナンが食卓の仲間に加わったことでテーブルはご覧の様相。誰かこの写真にドン!!!ってSEつけて。
フードイーターへの宣戦布告とみなした筆者、開眼す。秘技「片手フロントライス」で旨味を体内に取り入れる本気モードに突入です。
どうだ。これが「残ったナンで食後のティータイム」の図だ。そしてこの光景こそがデブの本懐だ。
しかし、ザクロサイドが描く未来予想図では、このワンシーンは冒頭に過ぎなかったのだ。
そう、ここからが「食べきれないコース」の本気であり醍醐味。店員さんがひとつひとつのテーブルをまわりながら大皿に盛られた料理を取り分けてくれるのです。
普段の食卓に並ばないようなトルコ料理の数々。「よかったら食べますか?」の問いにコクリと頷き皿を差し出します。
未知の味が気になるのはもちろんですが、“出されたもの、目にしたものはとりあえず食べる”という食い気の思想に基づいた行動です。
そしてその“未知の味”ってのがおいしい。取り分けてもらったトルコ風グラタンのようなもの(写真左)やチーズ入りナンのようなもの(写真右)。すべてが“ようなもの”表記なのは怒涛の勢いで運ばれてくるから覚えていないのだ。
無心で食べ続けてどのくらい経っただろう。ようやくパウンドケーキと果物らしきものがのったデザートの皿が運ばれた。そっか、「食べきれないコース」劇場もいよいよ千秋楽か。よく頑張ったぜ自分……!
なんて回想モードに入っていると……
2度目のドン!!!(SE)みたいな、ターンエンド!(キリッ)みたいな鶏肉の煮込みがエッサホイサと運ばれてきた。枚挙にいとまがない。
でも、じっくり煮込まれた鶏肉の身がホロホロでうまいんだ。筆者的本日1番だったんだ。
アリさん
コスパ指数高めな食べきれないコースに脳までトルコ料理つまった?と取り乱していたちょうどその頃、ごはんどきということもあり店内は最高潮の賑わいを見せていました。
客足が増えると店の隅っこでのんびり鑑賞していたPCを閉じ、客に絡み始めるという流れで賑わいに拍車をかけるザクロ店主、アリさん。なんてマイペースなんだ。
「アリさん」とは:ザクロの店主であり、独立国家ザクロの元首。
この国では絶対君主制とペルシャ絨毯が敷かれており、体の大きな男性国民(客)はもれなくアリ元首に「尻デカイ!ジャマナンダヨー!シネー!」と尻を蹴っぽられたり、女性の場合「私ト子供作ルー!?」「ザクロジュース飲ミナー!女性ホルモン出ル!僕コレ飲んで生理キタヨー!」などといった“狂気のアリ節”の洗礼を受けます。
しかし、そんな暴言ともとれるアリ元首の発言に国民はみんな笑顔になり、元首自らなさる現物支給(料理の提供)時には、私・俺もイジられたい!とばかりに国民がアピール合戦をするほど。
とワケのわからん例えで紹介したけれど、全て紛れもない事実。想像の斜め上を行くウザ楽しいアリさんの狂気の沙汰に陶酔する異常事態こそがザクロの日常風景なのです。
国家異世界転移ビジターの筆者もこの通り。姿勢良く着座しアリさんの洗礼を待ち受ける有り様です。
しかしそんな“ちょうだいオーラ”を発する愚か者は放置するツンデレ仕様。他の女性客とイチャイチャし始めます。キーッ!
失恋したときってサラダ記念日読みたくなるよな?ちなみにドレッシングはキューピー派?ピエトロ派?の問いかけに同行者が「ひとまず写真でも」と会話をシャットダウンしカメラを構えた瞬間。アリさん降臨。その、ほら、この人こういうトコあるじゃん……(恍惚)。
乱入の勢いそのままに「よかったら私と写真、もう一枚お願いします!」と告白。すると私の手を取り店の中央に引き寄せるアリさん。有無を言わせぬ勢いで大きな帽子をかぶらされ、なだれ込むように倒れ込み撮影終了。
写真のブレ具合からわかるように予想外かつ一瞬の出来事だったんだけど、「一緒ニ写真撮ッタラ妊娠スルヨー!」と君が言ったから3月某日は懐妊記念日。
水タバコ(シーシャ)
アリさん遊戯に興じる人が多い中、悠然と煙をくゆらせる人がちらほらと。
その煙の正体は水タバコ。ザクロでは食べきれないコースを頼むと無料で水タバコ(シーシャ)が体験できます。(2人以下の場合1,000円で利用可)
アリさんとの恋模様も安定期に突入したので、一旦シーシャで落ち着こう。
まずは豊富な種類のフレーバーから好みの味を選ぶのですが、初体験の筆者は何がいいのかチンプンカンプン。というわけで店員さんのオススメ「グレープフルーツ×グレープ」のミックスを体験することに。
店内に鎮座するラクダのオブジェにまたがり、「ザクロの姫」などとのたまったりしながら水タバコの準備を待ちます。
テーブルに運ばれた水タバコの全貌。フレーバーを温める炭の置かれたボウル、フィルターの役割を果たす水を入れるためのボトルなどからなる喫煙具につながれたパイプから煙を吸い込みます。
吸引方法について店員さんから指南をうけたものの、これがなかなか難しい。他のお客さんのように私も煙をモクモクあげて、優雅な姿をカメラに収めたいのに吸い方を間違えむせる始末。
ぶきっちょさんは多少の苦戦の末、コツを掴み水タバコを嗜むことに成功。ようやくグレープフルーツ×グレープの甘く爽やかな香りを味わうことができたのでした。
ベリーダンス
突然暗転する店内。戸惑いを一瞬で打ち消すアリさんの「日本で言う計画停電ダヨー!」の声に、「これからまた楽しいことが始まるのかもしれない!」と胸が高鳴ります。
オリエンタルな音楽とともに登場するダンサー。
ザクロでは毎日午後8時からベリーダンスショーを開催しており、チャージ料500円がかかるものの日替わりで登場する妖艶なダンサーの舞を目の前で観覧することができます。
しかし、忘れちゃならないのがここは“独立国家ザクロ”であり、“専制君主制”であるということ。たとえダンサーが美しい舞を見せている最中であれど、前を横切り「美シイネ、男みんな倒レルンジャネーノ!?」と合いの手をいれたり、「手拍子小サイ!ノリ悪い!シネバイイノニー!」というアリ元首の声が飛びます。そう、いつだって主役はアリさんなんです。
そんな流れで、アリさんとともにダンスの一節のお手伝いをすることになった某客の哀愁漂う背中。「さすがに視線が集中する中に呼ばれるのは恥ずかしいだろうに」と、ただひたすら同情の目で傍観します。
えっ。そんな私の他人事行儀な念が伝わってしまったのか、突然手を引かれステージに放り出された。ちょ、この状況やべぇっす。
「踊レー!踊レー!」の声とともに私を含め数人が連れ出され、ダンサーwithK(客)みたいな異様な光景に。
最初はあたふたするだけだった犠牲者たち。しかし、一人が重たい恥を捨てダンサーに合わせ踊り始めると、皆の顔はほころび、犠牲者から参加者へ、そして一人ひとりが今夜の主役へと昇華するのです。
毎夜繰り返えされる楽しい宴のあとは、アリさんの「近くにトルコランプの制作体験ガデキル『zakuroらんぷ家』がアル。そっちもヨロシク。」というしっかりとした宣伝と「じゃあ、ショー終わったカラ早く帰レバ?」の一言で幕を閉じるのでした。
まとめ
数々のウザさはサービスという名の店主アリさんの優しさだったりするのかな。たくさん食べて、笑って、異国の文化に触れて楽しんでほしい。常に全力で客を楽しませるその熱い思いは……。なんて考察をするのは野暮かもしれません。真意のほどはわからないけれど、常時最大出力の“おもてなし”を全身で受け止め、最後は「アリさんだいすき!」になって帰レバイイノニー!シネー!
ザクロもある人気スポット谷根千の散歩記事はこちら!「谷根千散歩(谷中・根津・千駄木)で絶対行くべきスポット9選!」
店舗名 | レストラン ザクロ |
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定休日 | 水曜日(応相談で営業・最近は水曜も営業中) |
営業時間 | 【ランチ】11:00~15:00 【ディナー】15:00~23:00(ラストオーダー22:00) |
アクセス | JR・京成「日暮里駅」、地下鉄千代田線「千駄木駅」より徒歩6分 |
住所 | 東京都荒川区西日暮里3丁目13−2 スタジオ谷中 |