“東京”といえば、ビルが立ち並び、人が忙しなく行き交う街。そんなイメージを持つ方がほとんどかと思います。

しかし東京都には、都心のイメージとはかけ離れた自然豊かな島々が存在するんです。

東京都の南に位置する11の有人離島には、豊かな自然景観や海洋資源、特産品、歴史・文化などの”宝物”が数多く存在しています。「東京宝島事業」では、こうした”宝物”や隠れた魅力を掘り起こし、一層磨きをかけ、広く発信していくことで、島のブランド化を目指しています。

国内有数のリゾート地として親しまれている「八丈島」では、“自分の色を取り戻す、七色の魅力輝く島”というブランドコンセプトのもと、その魅力を発信中です。

ライターと飛行機

そんな「八丈島」へ初上陸するのは、旅好きライターの小泉きょんです!八丈島は母親が大好きな思い出の島でもあり、ご縁に引き寄せられるようにやってまいりました。

本特集では前編・後編の2本立てで、実際に訪れた様子とともに八丈島の魅力をお届けします。

「八丈島ってどこにあるの…?」という方もきっと、これを読めば行きたくなるはず…!島の美しい写真と共に、ぜひ最後までご覧ください。

東京から55分!常春の島「八丈島」とは

八丈島 アクセス
出典:八丈島観光協会HP

伊豆諸島の中でも南部に位置する八丈島。春のような気候で過ごしやすく「初めて離島旅行してみたい!」という方に、特におすすめの島です。

その理由の一つが、都内からのアクセスが抜群にいいこと羽田空港から55分で行くことができるのです。これはなによりの魅力。

もう一つは、観光客の受け入れに力を入れているため、滞在中も快適に過ごせること。読みやすいテーマ別のパンフレットが多く用意されていたり、島の道路も走りやすく舗装されていたり、飲食店やスーパー、宿泊施設も多いんです。もちろん山の中でなければ、携帯の電波も問題なく通じます。

八丈島 滑走路と三原山
提供:一般社団法人 八丈島観光協会

というのも、かつてはハワイに代わるハネムーンの地として選ばれるほど、リゾートとして昔から親しまれてきた島なんです!

そんな八丈島について、前半ではグルメ温泉伝統工芸体験などの観光スポットをメインに紹介していきます。さらに記事後半では、八丈島の魅力発信を図るプロジェクト「七色八丈」の取り組み島の観光課題について、代表の歌川 真哉さんにうかがった話もまとめました。

島を訪れる際には、この記事を観光のお供にしていただけたら幸いです。

八丈島を存分に楽しめる!観光スポット・グルメ

最高の景色と”島湯”をゆったり楽しむ【温泉】 

八丈島 温泉
提供:一般社団法人 八丈島観光協会

八丈島には、いたるところに温泉スポットがあります。

海の絶景を眺められる露天風呂から、自然の中でひと息つける穴場の温泉まで、さまざま!

八丈島 みはらしの湯
提供:一般社団法人 八丈島観光協会

特に有名なのは「みはらしの湯」(大人:500円/子ども:200円)です。水平線まで見渡せる絶景とともに、露天風呂が楽しめますよ。元旦には毎年、初日の出を見るために訪れる人もいるのだとか!

八丈島 ふれあいの湯
提供:一般社団法人 八丈島観光協会

ヒノキが香る「ふれあいの湯」(大人:300円/小学生:100円)や、室内から海が一望できる「やすらぎの湯」(大人:300円/小学生:100円)も人気です。島の天気は変わりやすいため、室内温泉は雨の日に訪れるスポットとして押さえておくのがおすすめですよ。

八丈島 足湯きらめき
提供:一般社団法人 八丈島観光協会

もっと気軽に楽しむなら、中之郷にある「足湯きらめき」(無料)へ。着替える必要がないので、ドライブデートの途中にふらっと立ち寄ってみてくださいね!

美しい絹織物の伝統工芸【黄八丈】

黄八丈
▲黄八丈の反物。模様や色が豊富。今回は「八丈民芸やました本店」にて撮影。

八丈島の伝統工芸に「黄八丈」という織物があります。

植物で染め上げた、黄・樺・黒の3色の絹糸を巧みに使うのが特徴。天然染料で染めた絹を人の手で丁寧に織っていくため、1つの反物(たんもの)が仕上がるのにとっても時間がかかる貴重な品です。

その美しさゆえ、伝統工芸が好きな方や和装をする方など全国から注文が殺到。八丈土産にも喜ばれます。

黄八丈の手織り体験の様子
▲黄八丈の手織り体験も。「八丈民芸やました本店」にて。

黄八丈の専門店は、島内に3店舗。工房見学着付け黄八丈織りを体験できるお店もありますよ。苦戦しながらも自分で織る黄八丈は、旅行の思い出づくりにももってこいです!

黄八丈 小物
▲黄八丈を使った小物たち。「八丈民芸やました本店」にて。

その他、黄八丈で作られたガマ口やネクタイ、コースター、名刺入れなどの小物も豊富。どれも少しずつ柄が異なるので、お気に入りの1点モノを探す楽しさがあります。

空港のお土産屋さんにも並んでいるため、帰り際の最後の最後まで、お気に入りの柄がないか探してみてくださいね!

島内に4つ!各蔵元の個性が光る【八丈の焼酎

八丈の焼酎 酒蔵
▲八丈の焼酎の酒蔵。今回は「八丈興発」にて撮影。

島内で作られる「八丈の焼酎」も有名です。島内で製造されていますが、さまざまな銘柄があります。芋や麦の原料、蒸留方法、ブレンド比率の違いによって、蔵元オリジナルの味に仕上げているんです。

酒蔵見学の様子
▲蔵見学の様子。「八丈興発」にて。

蔵元では予約の上、歴史ある蔵の見学試飲も可能です。焼酎がどのように作られているのか、どんなこだわりや想いを込めているのか…。蔵元の方から直接お話を聞くと、より焼酎への愛が深まります。

ちなみに私が訪れたのは、ちょうど芋焼酎を仕込む時期。米でなく「麦」で麹を作ったり、何トンものさつま芋を手作業で切り分ける工程を間近で見学させていただきました。

八丈鬼ごろし モニュメント
▲八丈鬼ごろしのモニュメントも。「八丈興発」にて。

実際に足を運んだことで「八丈の焼酎は、この蔵元から日本全国・世界中へ届けられているのか…」と実感でき、とても感慨深かったです。

見学した日の夜には、島内の郷土料理屋さんでぜひ焼酎を!グッと美味しく感じられるはずです。

八丈の焼酎を造る蔵元は島内に4つあります!興味のある方はぜひ見学しに行ってみては?

酒蔵名 蔵元の特徴 営業時間 住所 試飲・見学
八丈島酒造 一本釣り、八重椿、江戸酎、島流しといったこだわりの焼酎を試飲できる一番大きな酒造。工場見学も可能。 ​​​​​​​​​​​​​8:00~17:00
日曜定休
東京都八丈島八丈町大賀郷1576-1 可能
八丈興発 芋作りから行ない、情け嶋、八丈鬼殺しを製造。見学は電話予約必須。 9:00~17:00
日曜、祝日定休
東京都八丈島八丈町三根1299 可能
坂下酒造 黒潮、黄八丈、JONNALIEを製造。オリジナル商品もあり、SNSにて積極的に発信中。 9:00~17:00
日曜、祝日定休
東京都八丈島八丈町三根1778-1 不可
樫立酒造 大正14年創業の歴史ある酒蔵。さらりとした口当たりが特徴の、島の華、潮梅を製造。 8:00〜17:00
日曜、祝日定休
東京都八丈島八丈町樫立2051 可能

八丈島グルメ【郷土料理】も見逃せない

八丈島は、グルメ巡りだけでもたっぷり楽しめるほど飲食店が豊富!!伝統のある郷土料理や、特産品を使ったグルメが味わえます。

カラシで食べる!?絶品の「島寿司」

八丈島 島寿司
▲八丈島で古くから親しまれてきた「島寿司」。「梁山泊」にて。

中でも外せないのは、甘めのしゃりが特徴の「島寿司」。ネタとシャリの間には、わさびの代わりにカラシがちょこんと入っています。そのためツーンとした辛さはなく、辛味が苦手な方でも食べられます!

八丈島 島寿司 持ち上げ

漬けることで少し身も引き締まり、キュッとした歯ごたえと深い旨味が楽しめます。

新鮮な魚を使った漬けネタも、お店それぞれにこだわりがあるので、色々なお店で食べ比べしてみるのもおすすめです。

八丈島 島寿司 岩のり

個人的に気に入ったのは、岩のりのお寿司。八丈島の島寿司は岩のり寿司とのセットが一般的だそうです。

岩のりはやや甘く煮付けられており、シャリとの相性も抜群!皿の上の名脇役で、追加でオーダーしたくなるほど私は好きでした。

ちなみに島寿司はスーパーのお寿司コーナーにも並んでいます。島民の方にも愛される郷土料理は必食です!

島に来たなら、挑戦したい「くさや」

八丈島 青むろ鯵くさや くさやチーズ
▲青むろ鯵くさや(左)とくさやチーズ(右)。「藍ヶ江水産」にて。

島寿司に続いて、ぜひ挑戦していただきたいのが「くさや」という魚の干物。においが強烈な食べ物として、一度は耳にしたことがあるのでは…?

強烈なにおいの由来は、干す前に魚を漬けている「くさや汁」にあります。くさや汁は塩水に魚のエキスが加わったもので、何十年も同じ汁を受け継いでいるんだそう。うなぎで言う”秘伝のタレ”のようですね。(でも、くさやは良いにおいとは言い難い…笑)

くさやの身

ちなみに八丈島の「くさや汁」は、その昔、東京宝島のひとつである「新島(にいじま)」から分けてもらったものなんだそうですよ!

そういった歴史を知るのも、郷土料理の楽しいところですね。

海の恵みアヒージョ
▲くさやを使った「海の恵みアヒージョ」。「藍ヶ江水産」にて。

独特で強烈なにおいには驚きますが、食べてみると意外にも深い旨味が…!専門店では、くさやをアレンジしたお料理もバリエーション豊富に用意されていますよ。

どれも塩味と旨味がガツンと効いているので、島焼酎や日本酒と合わせていただくのがおすすめです。

島の特産!「明日葉」グルメ

明日葉の天ぷら うみかぜ椎茸の天ぷら
▲「明日葉」と「うみかぜ椎茸」も名物。「梁山泊」にて。

島の特産品でもある「明日葉(あしたば)」。大葉のような見た目の植物です。八丈島の中では、さまざまな料理やデザートに使われています!

明日葉の天ぷらはパリパリ、シャクシャク食感が美味しい逸品。揚げたてのうちに塩をサッとかけてかぶりつけば、お酒が進む進む…!

特産「うみかぜ椎茸」の天ぷらも肉厚で香り高く、きのこ好きにはたまらない1品でした。

明日葉を生地に練り込んだ麺料理もあります。島内では、うどん、そば、ラーメン、パスタ…などなど、どんな麺料理でもこの緑色の麺を見かけました。珍しいビジュアルで、観光客に人気だそうですよ。

明日葉のおひたし
「藍ヶ江水産」にて撮影。

ただ、明日葉は”加工品”になっていることが多く、「本来の味が知りたい…!」と気になる方もいるでしょう。

そんな方には、「明日葉のおひたし」がおすすめです!おひたしなら、明日葉をよりダイレクトに感じられますよ。食感はシャキシャキとしていて、味は青菜っぽいような…。でも他にはない香りがあり、「なるほど、これが明日葉か!」と私も満足できました。

島でとれる鮮魚の「お刺身」も!

八丈島 刺身
「梁山泊」にて撮影。

その他にも、郷土料理屋や居酒屋では、島でとれる鮮魚のお刺身もいただけます。

新鮮な証拠に切り口の角が立っており、身はぷりぷり!お店によっては、本土では少し珍しいお魚も味わえるかも…?

ちなみに、お刺身に唐辛子が添えられているのは八丈島流!これはかつて、わさびが入手しにくかった頃の名残なんだそう。しょうゆに唐辛子を潰し入れながら、お好みで辛さを調整して食べられますよ。

滞在中には、島ならではのお料理を、文化や歴史にも触れながら存分に味わってきてくださいね!

八丈島の魅力を発信中!「七色八丈」プロジェクト

八丈島の食やスポットをご紹介してきました。見どころたっぷりの八丈島では、「七色八丈」という八丈島の魅力発信を図る取り組みが行われています。

ここでは「八丈島に来てほしい!」と想いを込めた取り組みや、八丈島の展望についてご紹介します。

「七色八丈」とは?

七色八丈図鑑
出典:八丈島観光レクリエーション研究会

「七色八丈」とは、島民のみなさんが、八丈島の中から島の魅力を発信するプロジェクトです。

以前は「七色八丈図鑑」として、八丈島の様々な人や場所の物語を見て、知って、体感してもらいたいと、島民一人ひとりを取り上げたコンテンツを制作。冊子やInstagramで発信し、人と人との繋がりを生み出しました。

そして2022年からは、前年までの取り組みをもとに「シン・七色八丈」へとパワーアップ!認知を広げ、深めるべく、さらにSNSを駆使して島外への発信を強化しています。

「シン・七色八丈」の中心となっているのが、ホテル「リードパークリゾート八丈島」を運営する歌川 真哉さんです。八丈島で観光事業に取り組む理由や、島が抱えている課題、「シン・七色八丈」に込めている想いなどをインタビューしました。

「シン・七色八丈」の歌川 真哉さんにインタビュー

八丈島 歌川真哉さん

歌川 真哉さん

2007年にホテルの雇われ支配人として八丈島に赴任。2009年からはリードホテル&リゾート株式会社を設立し、ホテルのリブランディングや運営を行なう。
他、八丈島乳業(株)や(株)ハチジョウの代表、さらにNPO法人八丈島移住定住促進協議会の代表理事としても活躍。八丈島に愛を持ち、地域に貢献できる取り組みを続けている。

インタビューの様子

ーー現在、八丈島でホテル経営や酪農事業をされていますよね。移住の経緯と、そのときに感じた島の魅力を教えてください。

もともと新潟県のホテルで働いていたのですが、八丈島で新しいホテルを建てる話があり、2007年に社員として赴任してきました。立ち上げから携わり順調かと思えたのですが、不運にも2008年のリーマンショックの影響を受けまして……。

ホテルの存続が難しくなり、売却しようという流れになっていたのですが、私はここで諦めてしまうのはもったいないと思ったんです。

「なんとかこのホテルを存続させたい」と自分で会社を立て、自分が働いていたホテルの経営を始めました。それが2009年のことです。

※リーマン・ショック:2008年9月、アメリカの有力投資銀行であるリーマンブラザーズが破綻し、それを契機として広がった世界的な株価下落、金融不安(危機)、同時不況を総称する。

リードパークリゾート八丈島
▲歌川さんが経営するホテル「リードパークリゾート八丈島」

ーー危機に陥った勤め先のホテルを、ご自身で引き継ぐ…。かっこよすぎます。その原動力となったのは、やはり八丈島の魅力が大きかったのでしょうか?

そうですね。赴任をきっかけに移住してきたとき、“島の空気感”がいいなと。

私もいろんな移住者や定住者さんにお会いしますが、定着している人は「飛行機から降りた瞬間に、何かを感じて」という方が多いんですよね。それが一体なんなのかは、私自身もわからないんですが(笑)。

ーーそういえば私も、飛行機から島が見えたときにすごくワクワクしました…!こればかりは、ぜひ、実際に感じてほしいところですよね。

そうですね。私が初めて訪れた日も、たまたますごくいい天気で、海や山がすごく綺麗に見えたんです。実はここに来る前は佐渡島のホテルで働いていて。そのときは佐渡の海が一番綺麗だと思い込んでいたこともあり、飛行機から見えたときはおどろきましたね。

八丈島の課題と3つのミッション

▼歌川さんが掲げるミッション

「魅力あるリゾート地八丈島を創造すること」
「八丈島の交流人口・滞在人口を増やすこと」
「本土のヒト・モノ・カネを八丈島に動かすこと」

ーー八丈島で、歌川さんは3つのミッションを掲げていますね。これを掲げるまでに、島に対してどんな課題を感じていたのでしょうか?

観光を盛んにすることはもちろんですが、その前提には、自治体としての八丈島(八丈町)の維持があります。放っておくと、人口や経済規模がどんどん縮小し、気づいた日には島が消滅してしまうんです。

ーー「観光を盛り上げること」の前に、「自治体としての島の維持」という目的があるんですね。本土で過ごしていると、なかなか触れることの無い感覚です…!

そうそう。それを防ぐためには、島の外から“ヒト・モノ・カネ”を呼び込まないといけなくて。

かつてリゾート地として栄えていた実績はありますし、なにより自然の観光資源が豊富。それを踏まえて、八丈島のアドバンテージを考えてみたときに、「東京都の島である」「全日空便が1日往復3便飛んでいる」ということが挙げられました。

箱根や熱海のように陸路では行けないけれど、実はアクセスの利便性は高いんです。

そして、美しい自然の風景は人間の手で生み出せなくても、飲食店やホテルは今からでも造れます。私の事業では、そういった観光資源の底上げに注力していますね。

八丈島 海辺のベンチ
▲夕方の海辺のベンチ。空は美しい橙色。

ーー前身の七色八丈の取り組み、生み出した価値や成果はありましたか?

「七色八丈」では、地元の人に焦点を当てました。魅力的な島の人やその取り組みを取材し、冊子やSNSにまとめて発信していたんです。「八丈島の“人 ”に会いに来る」ことを目指して、取り組んでいました。

私たち自身、制作の過程で島民との関わりが生まれたり、「実は今までこういうことやっていた」というのが発覚したり。おもしろかったですね。

企画としてはよかったんですが、やっぱり広く認知されるためには反省もありましたね。

反省から進化した「シン・七色八丈」の取り組み

メカキョン
▲キョンをモチーフにした「メカキョン」

ーーそこから、「シン・七色八丈」が始まったと。

はい。次は、誰もが楽しめるものをつくっていきたいなと。「シン・七色八丈」では新たに、TikTokやYouTubeにて動画コンテンツを発信していきます。

八丈島の「キョン」という動物をモチーフにした「メカキョン」が、島の魅力をお伝えしていきます。例えば、郷土料理のひとつである「くさや」の製造過程や、名産の「海風しいたけ」を紹介したり……。

すでに、何本か動画も上がっているので、ぜひ覗いてみてくださいね。20~30代の若い方にも、楽しみながら八丈島を知っていただけたら嬉しいです。

ーー若い層に向けて、動画での発信を始めたのですね!「八丈島、行ってきたんだよね〜」って言われたら、「お、旅慣れているな。かっこいいな」と感じるイメージです。そんなブランドイメージにつながるといいですよね。

ちなみに、八丈島で15年ほど過ごしている歌川さんは今、島のどんなところにおもしろみを感じていますか?

おもしろいところは、たくさんありますよ!

でも強いて言えば、自分たちの事業や取り組みによって、地域社会の課題を解決できるところでしょうか。まだまだ、伸び代もあります。

例えば、観光事業に力を入れて来島者が増えると、交通インフラの維持につながるんです。逆に来島者が減ってしまうと、飛行機や船の便が減ってしまい、島民の交通や島内の物流にも大きな影響が出ます。

つまり、みなさんが訪れてくださることは、島のインフラ維持にも役立っているんですよ。ぜひ羽田空港から、気軽に訪れてみてほしいですね。

八丈島の”未来”を創る

インタビューの様子

ーー最後に、歌川さんが思い描く”八丈島の未来”とは?

島民みんなが未来に希望を持ち、いきいきと暮らしていける島ですね。特に子どもや若い方が、10年後、20年後の島の将来を考えていけるような社会が理想ですね。そして大人も、子どもたちの未来について考えられるような……。

そんな島を、これからも観光事業を糸口に創っていきたいと思います。

ライター後記

インタビュアーとインタビュイー

「観光が、島の維持につながる」
歌川さんとお話しなければ知り得なかった、新たな発見でした。これからどんどん変わりゆく八丈島の”今”に、みなさんも触れてみてはいかがでしょうか?

まとめ

前編では、八丈島を初めて訪れる方におすすめな観光スポットと、島の魅力発信を図るプロジェクト「シン・七色八丈」に取り組む歌川さんの想いをご紹介しました。

でも、八丈島の本領はこれだけではありません。島ならではの自然の魅力を、まだまだお伝えしきれていないのです。

そこで続く後編では、八丈島の山の自然に触れるアクティビティをレポート!

「八丈富士」と「三原山」の2つの山を中心に、ぜひ訪れていただきたい自然スポットをご紹介します。

では、また後編でお会いしましょう!

 

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