どうも東京ルッチの浅草演芸担当、現役漫才師の木曽さんちゅうです☆☆☆
勝手にシリーズ企画、漫才協会オススメ芸人ファイル…第7弾!
私、木曽さんちゅうがこの度皆様にオススメしたいのは…紙切り。
紙切りと聞いて直ぐにどんな芸か分かる方は相当な演芸通。
今回は演芸場でしか見られない?日本の伝統芸能・紙切りにスポットを当て、漫才協会に籍を置く“紙切り芸”のオススメ芸人をご紹介したいと思います!
目次
日本の伝統芸能“紙切り”
そもそも紙切りとは?
まずは紙切りについて説明をせねばなりません。
“紙切り”とは…紙をハサミで切り、色んな形に切る芸のこと。
演芸場においては、お客さんからお題を募り、お題を頂いたらその場で即興で切るんです。
凄くないですか??
まだピンと来ないだろうなぁ。
まぁ、少しずつ明らかにしていきましょう♪
こんな道具でやるんです。
それではここで、皆さんあまり馴染みがないであろう“紙切り芸”で使う道具達を…この後ご紹介させて頂く柳家松太郎師匠の持ち物でご紹介♪
まずは…
ハサミです!
御覧になって、普通のハサミとの違いにお気付きになりますか?
答は…指を入れる穴の大きさです!
小さい方は通常通り、親指を入れるんですが、大きい方は…
中指と薬指の2本を入れるんです!
そして持たせて頂いたんですが…このハサミ、実に軽い!
それから普通のハサミと違って、ぐらぐらなんです…これは驚き!
このハサミ、ドイツ製だそうで、現在はもう作られていない逸品だそうです。
あと、これがないと出来ません!
紙ですね♪
紙の種類は…ケント紙。
コピー用紙よりは厚く、画用紙よりは薄い。
そしてその下にあるのは…バックが黒地のファイル。
このファイルに切った作品を挟み込んでお客さんに見せる、観易くなりますよね♪
一応サイズ感も紹介しておきましょう!
これより大きくても切りにくいし、小さいとお客さんが観ることが出来ない、これしかないというサイズ。
実に繊細な芸なんですよねぇ。
さぁ、それでは“紙切りの匠”をご紹介して参りましょう!
柳家松太郎
漫才協会における紙切り芸のパイオニアが…松太郎師匠!
まずは松太郎師匠の魅力に迫って参ります♪
何と言っても紙切り!
まずは写真と文字だけではお伝えしきれませんが、圧巻の流れをご紹介しましょう♪
まずはお客さんにお題を募ります。
そしてこの時出て来たお題が…「犬」。
聞くや否や、すぐに…
紙とハサミを手にして…
切りはじめちゃいます!
殆ど考える時間がないのがまた凄い!
そして…無言じゃありません、あれこれ話がありつつ気付いたら…
…「犬」完成です!
どうですか、見事ですよね??
そしてまだまだ凄いのは…
切ったあとの方もしっかり形が残っている、これがまた凄技!!
イーですよね、素晴らしいですよね!
そして…
お題を出して下さったお客さんに作った作品をプレゼントです!
右手のお客様の手にある白いものは…おひねり、いわゆるチップですね。
勿論チップですから任意ですが…これはすなわちお客さんの満足度の高さの裏返しなんじゃないか、と思う訳です。
持ち時間は基本10分間。
大体リクエストに応えて2回、作品を作ります♪
この写真の舞台の際は…最初の作品をプレゼントしている時に「舞妓さん!」とお題が飛んで来ておりました!
「ちょっと待ってよ」…なんて感じで返しつつ仕切り直し。
改めてハサミを進めます♪
同じくお題に因んだ話を進めつつ、同じテンポでハサミも進める。
そうこうしてると…
次はどんな仕上がりになっているのか?
舞妓さん、お見事です☆☆☆
あっ、こちらもそうそう。
やはり切ったあとの方も美しい!
如何ですか?
まぁ写真なので中々伝わらないかとは思いますが…それでも何となくはご理解して頂けたんじゃないでしょうか?
そして…松太郎師匠の魅力は紙切りだけじゃないんです。
手を休めることのない…軽妙なトーク!
改めまして出だしの部分。
出囃子が流れ、松太郎師匠がご登場。
すーっと入って来て、いわゆる枕から!
力みがないから、実に心地よい♪
そして次に紹介する写真の…松太郎師匠の顔の角度に注目して欲しい。
完全に客席の方を向いてるでしょ、しかも1人の方と喋ってるでしょ?
これが松太郎師匠の余裕です♪
内容は昨今、話題になっている時事ネタとか、過去のエピソードトーク、頂いたお題にまつわる話などなど、実に幅広い☆☆☆
これで10分、本当に見応えタップリです♪
これぞ即興芸、是非生で観て頂きたい!
気になる作品は?
基本的にステージ上で披露した紙切りで出来た作品は…全てお題を出したお客さんにプレゼントされます。
故に出番を終えた松太郎師匠の手元には、基本的には作った作品がありません。
しかしながら、見つけました!
前回紹介した“立ち飲み処 ひととなり”。
この“立ち飲み処 ひととなり”の壁には…
…そう松太郎師匠の作品が!
そして少し寄らせて頂くと、松太郎師匠の凄さが伝わって来る!
…ま、まつ毛!!!!
凄まじい細やかさです、圧巻。。。
これは舞台での即興ではなく、改めてじっくり切られたものだとは思いますが…それにしても凄いと思いませんか?
演芸場の場合、このような作品はお題を出した方のみが手に入れられるんです。
さぁ、そこの貴方!
生で紙切りを観に行きたくなりませんか??
思い切ってお題を出してみたいと思いませんか?
そして、この紙切り芸を披露する芸人さんは…松太郎師匠の他にもうお一方いらっしゃるんです。
青空麒麟児
松太郎師匠よりずっとお若い、青空麒麟児師匠。
この方もまた、
…紙切りを披露する芸人さんです。
そして青空麒麟児師匠、実はチョイと異色の方でして。
まずは簡単なプロフィールを紹介しよう。
“青空麒麟児”とはこんな人
とにかくデカいんです!
身長が何と!190cmもあるんです♪
故に…
…立ち姿が格好イー☆☆☆
洗練されててちょっと芸人っぽくない感じ、これがまた麒麟児師匠の魅力なんですよね♪
そして松太郎師匠と違い、麒麟児師匠は…
…立って紙切りをします♪
この辺りは見た目とかやり易さとか、色んなポイントを鑑みてのことでしょう。
それからこれは芸人としての部分とは全く関係ない余談なんですが…実は麒麟児師匠、保育園の園長先生なんです!
人は見た目に寄りませんねぇ♪
喋りがメインの紙切り芸
麒麟児師匠はとにかくよく喋る!
いや喋るので言ったら松太郎師匠も同じくなんですが…何でしょう、チョイとスパイスを効かせながら、淀みなくずっと喋ってる。
そして喋りに心を傾けていたら…出来てる!
中々文字で説明するのは難しいんですが、とにかくこのお二人を実際生で見比べてみるのもまた面白いかもしれませんね♪
最後に
“寄席”“演芸場”と聞くと、真っ先に浮かぶのが…落語。
他にも漫才や漫談、マジックなんかも観られますが、この辺りのジャンルは“寄席”“演芸場”以外でも観る事ができます。
紙切り芸は…まさに“寄席”“演芸場”で“生”で観て頂きたい芸。
目の前で即興で頂いたお題を受けてハサミを進める、、、どうってことないよ、てな感じで堂々と…これゾ究極の即興芸じゃないでしょうか?
皆様是非!生でご覧下さい!
そんな紙切り芸の柳家松太郎や青空麒麟児も出演する浅草東洋館の、楽しみ方やアクセスは「浅草東洋館の楽しみ方!出ている漫才師が教える観覧マニュアル!」の記事をどうぞ!