見渡す限りビル、ぎゅうぎゅうの通勤電車、とめどなくスマホに入る連絡…。忙しい都会の日常に疲れてしまったあなた!そう、そこのあなたです。休日は忙しさを忘れてゆったり過ごしたいですよね。
そんなあなたにおすすめなのが、葛飾区にある”柴又”。都心から少し足を伸ばすとあるレトロな街で、名作映画の舞台として有名です。
今回は、そんな柴又の観光スポットを実際に散歩してきました!
柴又ってどんな街?
柴又といえば、フーテンの寅さんでおなじみの「男はつらいよ」シリーズの舞台として有名です。寅さんにまつわるスポットは観光の定番!
駅を降りた瞬間から、昭和にタイムスリップしたような下町情緒あふれる空気が漂っています。
…と歩き出した瞬間、どこからか呼び止める声が!「お姉さん、これ持ってって~!」
渡されたのは、観光スポットの見どころを書いた紙。声を掛けてくれたのは、駅チカのお土産屋さん、柴又たま屋の女将さんでした。
柴又の魅力を伝えるべく、通った方に渡しているのだとか。素晴らしい地元愛!そして止まらないマシンガントーク…!
柴又で行先に迷ったらこの人に聞け~!
柴又観光マップ
柴又観光はここで!おすすめスポットをご紹介
駅前の記念写真スポット♬「フーテンの寅」像
きたぜ、柴又…
渥美清(あつみきよし)さんの死去後、地元参道の商店街が計画し、1999年に建てられた寅さん像。建設費用は、商店会と観光客の募金で集められました。多くの反響があり、20万人もの署名が集まったとか。
モチーフとなったのは、第40作「寅次郎サラダ記念日」の中で、旅に出る寅さんが妹さくらの方を振り返ったシーンです。絶好の記念写真スポット!
おにいちゃん…
2017年には妹さくらの像も立てられています。先ほど女将さんにいただいた紙によると、触れるといいことがある箇所があるみたい。
まず、寅さんの左足の親指。
続いては桜の左足に刻まれている、「さくら」の「さ」。
最後に、右足に刻まれている「ちえこ」の「ち」。
みなさんもぜひ触れてみてください。
寅さんが生きていた世界に没入!「葛飾柴又寅さん記念館」
映画の世界に浸るなら、「寅さん記念館」がおすすめです。入口にさっそく寅さん発見!
館内には、映画で実際に使用された「くるまや」のセットが撮影所から移設されており、実物資料やジオラマ模型、懐かしの映像集など、盛りだくさんのコンテンツが楽しめます。
記念館は3年に一度リニューアルを行っており、全国のファンが何度来ても楽しめるよう工夫がされています。開館以来7度目となる2019年4月のリニューアルでは、エンディングコーナーを一新しました。歴代のマドンナや故郷柴又の風景に、映像演出で触れることができます。
屋上は柴又公園で、作品の舞台となった帝釈天や江戸川河川敷も一望できます。映画の中の景色を眺めながら、ゆったりと時を過ごせるおすすめスポットです。
定休日 :第3火曜(祝日の場合直後の平日)、12月第3水曜、木曜
料金 :一般500円、児童・生徒300円、シルバー400円、団体400円
※山田洋次ミュージアムも入館できます
電話番号 :03-3657-3455
住所 :東京都葛飾区柴又6-22-19
「柴又帝釈天」下車7分
北総鉄道新柴又駅下車徒歩12分
名監督の人生を振り返る「山田洋次ミュージアム」
2012年12月、寅さん記念館に隣接してオープンした「山田洋次ミュージアム」。
『男はつらいよ』シリーズをはじめ、『幸福の黄色いハンカチ』、『たそがれ清兵衛』など数々の作品を手掛けてきた山田洋次監督の、作品への思いに触れることができます。
四半世紀にわたり作られてきた作品たちを時系列で詳しく紹介しており、監督のこだわりを感じられる展示です。
寅さん記念館との共通券あり。監督と作品の魅力を存分に案じられるスポットですね。
定休日 :第3火曜(祝日の場合直後の平日)、12月第3水曜、木曜
料金 :一般500円、児童・生徒300円、シルバー400円、団体400
※寅さん記念館も入場できます
電話番号 :03-3657-3455
住所 :東京都葛飾区柴又6-22-19
「柴又帝釈天」下車7分
北総鉄道新柴又駅下車徒歩12分
葛飾区の有形文化財の中でお茶タイム♬「山本亭」
もうひとつ、寅さん記念館との共通券があるのが「山本亭」。カメラ部品メーカーの創立者、山本栄之助氏の住居として建てられた建造物です。
書院造×西洋建築という、和洋折衷の美しい造り。関東大震災を期に、浅草の小島町から現在地に移転されました。
当時は洋風建築を取り入れることが富裕層の間で流行していたそう。その佇まいを今に残す貴重な建築として、葛飾区が登録有形文化財に指定しています。
美しい庭を見ながら、お茶やお菓子を楽しむことができます。ほっと一息つける、おすすめのスポットです。
定休日 :第3火曜日
※ただし第3火曜日が祝日・休日の場合は、直後の平日
12月第3火・水・木曜
入場料 :1人100円
【寅さん記念館&山本亭セット料金】
一般:550円 シルバー/団体:450円
電話番号 :03-3657-8577
住所 :東京都葛飾区柴又7丁目19-32
JR線・京成線ともに金町駅前発小岩駅行バスにて「柴又帝釈天」下車7分
駄菓子とおもちゃに囲まれる人気スポット「柴又ハイカラ横丁」
「ハイカラ横丁」は、2004年に生まれた柴又の人気スポットです。昭和レトロな店内には、駄菓子やおもちゃがいっぱい!
数千種類の駄菓子・雑貨が並んだ光景は、大人になってもわくわくしますね。
ピンボールやインベーダーなど、懐かしいゲームで遊ぶこともできます。
柴又はおもちゃの街「おもちゃ博物館」
ハイカラ横丁の2階にある、「おもちゃ博物館」。懐かしのおもちゃがずらりと並んでいます。実は柴又はおもちゃの街。誰もが知っているおもちゃメーカーが葛飾区には集中しています。
「柴又帝釈天を訪れる方々に昭和の下町葛飾のおもちゃ文化を伝えたい」という思いに共感したのが、漫画原作家・黒沢哲哉氏。子供の頃から柴又の駄菓子屋、玩具店、露店等で買い集めた膨大なコレクションを持っていた彼と、多数のメーカーの協力により、めでたく開館しました。
世代を超えてつながれてきた貴重なおもちゃたちは、大人も子供も楽しめるはずです。
寅さんも歩いたお寺さん「柴又帝釈天 (帝釈天題経寺)」
柴又のお寺と言えばここ!「柴又帝釈天(たいしゃくてん)」です。
約400年もの歴史がある日蓮宗の寺院で、寅さんの映画の舞台としても知られています。境内にいると、時折あのテーマソングが聞こえてくる…!
境内には寅さんおみくじが。
祀られている帝釈天は、信仰する者を災難から守る神様と言われており、厄除けや病気治癒の御利益があるとか。
お参りしたらぜひセットで楽しんで欲しいのが、「彫刻ギャラリー」。帝釈天は、国宝級の彫刻を観ることができることから、芸術面でも高く評価されています。
奥行きがすごい…!
彫刻にはひとつひとつ説明書きが用意されています。描かれているストーリーと合わせて見れば、感動もひとしお!ぜひ生で見て欲しいスポットです。
営業時間 :9:00~18:00(閉堂)/彫刻ギャラリー・邃溪園は~15:30(閉館16:00)
定休日 :なし
料金 :大人400円/子ども(小中学生)200円/団体 300円
電話番号 :03-3657-2886
住所 :東京都葛飾区柴又7-10-3
アクセス :柴又駅から徒歩4分
地図 :Googleマップで確認する
公式サイト:柴又帝釈天
美しい日本庭園に癒される「邃渓園」
東京都指定名勝庭園にも認定されている「邃渓園(すいけいえん)」。名前は、庭園の滝の風情が”幽邃(ゆうすい)”で”もの静か”であることからつけられました。
名前の通り、落ち着いた雰囲気の漂う美しい庭が広がり、日常を忘れることができます。
先にご紹介した、彫刻ギャラリーとの共通券になっています。アートを楽しんだ後は、静かな庭園でまったり。
営業時間 :9:00~15:30(閉館16:00)
定休日 :なし
料金 :大人400円/子ども(小中学生)200円/団体 300円
電話番号 :03-3657-2886
住所 :東京都葛飾区柴又7-10-3
アクセス :柴又駅から徒歩6分
地図 :Googleマップで確認する
毎日運航!江戸川を船渡り「矢切の渡し」
柴又観光もいよいよ大詰めです!最後は川に揺られて一服。名物の「矢切の渡し」は、江戸時代初期に幕府が地元農民のために設けた渡し船で、江戸川を矢切と柴又で結ぶ大事な足として使われていました。
所要時間5分で、現在は片道大人200円、子ども100円で運行しています。
って誰もおらんやないかーい!
運営元に問い合わせたところ、風が強い日は運休することがあるとのこと。残念!ぜひ乗りたかった…。現在は毎日運航しており、乗り場には船乗りさんがいらっしゃるようです。
12月からは土日祝日のみの運航。年末年始もやっているそう。気になる方は問い合わせてみてください。
営業時間 :夏季:毎日運行10:00~16:00頃
冬季:土日祝日および庚申の日のみ運行・10:00~16:00頃
定休日 :なし ※荒天の場合のほか、臨時でお休みになる場合があります。
料金 :片道大人200円、子ども100円
電話番号 :047-363-9357(矢切渡船)
住所 :東京都葛飾区柴又7-18先
地図 :Googleマップで確認する
アクセス :柴又駅から徒歩12分
昔懐かしい名物グルメが集まる「帝釈天参道」
柴又には昭和の香ばしい雰囲気を感じさせるグルメがたくさんあります。その多くがここ、「帝釈天参道」に集結!
「帝釈天参道」は、柴又駅を降りてから200mほど先の柴又帝釈天(経栄山 題経寺)まで続く、下町の雰囲気がより濃く残るエリア。
甘味や柴又の有名店のしっかりランチなど、ここに来れば柴又の美味しいものに出会えますよ!
昔懐かしい草団子「門前とらや(柴又屋)」
開業時から帝釈天への参拝者のお食事処・草だんごのお土産として親しまれてきた、「門前とらや」。映画「男はつらいよ」の1作目に登場してから、第4作まで寅さんの実家としてロケが行われていました。
ひと目見るだけで、映画のシーンがよみがえってきますね!
人気の「草だんご」はお土産用と食べ歩き用があり、食べ歩き用は1本(150円)から買えます。
上品な甘さのあんこ、もちもちのびーるお餅…。柴又に来たら絶対食べるべき逸品です!
営業時間 :[月~金]10:00~17:00 [土・日・祝]9:00~17:30
定休日 :不定休
電話番号 :03-3659-8111
住所 :東京都葛飾区柴又7-7-5
アクセス :京成金町線柴又駅を出て、帝釈天に向かって約3分
地図 :Googleマップで確認する
公式サイト:門前とらや
飴切りの実演も見られる!「松屋の飴総本店」
「松屋の飴総本店」は明治元年深川にて創業し、帝釈天参道では昭和元年から営業しています。帝釈天参道では唯一の飴屋さんです。
人気があるのは、セキトメ飴・きな粉飴で、まとめて買っていく人が多くいるそう。
「トントコ飴切り」の愛称で親しまれる飴切りの実演が名物。タイミングが良ければ見られるかも…!?旅の思い出におひとついかがですか?
営業時間 :8:30~17:00
定休日 :不定休
電話番号 :03-3657-1739
住所 :東京都葛飾区柴又7-6-17
アクセス :京成線 柴又駅徒歩5分
地図 :Googleマップで確認する
公式サイト:松屋の飴総本店
寅さんも食べた!天丼が名物の「大和家」
天ぷらが名物の「大和家(やまとや)」。注文が入ったら、店頭の鍋で揚げています。もちろん、揚げたてほやほや!
メニューは「天ぷら+ごはん」、「天丼」の2種類で、それぞれ並と上があります。
今回は「天丼 並 998円」をいただきました。乗っているのは、海老天1つ、白身魚の天ぷら1つ、野菜天1つ。
「天丼 上 1,620円」になると、海老天と白身魚が増えて豪華になるみたい。
サクサクの衣に染みたタレがまた絶品!特に感動したのが白身魚の天ぷら!正直に言うと、今まで食べた中で1番美味しかったです。
営業時間 :9:00~17:00(飲食は11:00~16:00)
定休日 :不定休
電話番号 :03-3657-6492
住所 :東京都葛飾区柴又7-7-4
地図 :Googleマップで確認する
アクセス :柴又駅から徒歩2分
公式サイト:大和家(食べログ)
寅さんゆかりのお蕎麦が美味しい「やぶ忠」
おいしいおそばのお店、「やぶ忠」。石臼挽きにこだわっており、その日の天候に合わせ玄そばの皮のむき方も変えているのだとか。
今回は「鴨せいろそば 1,000円」を注文しました。
たっぷりの出汁が嬉しい。ちょうど新そばの時期ということもあり、香り豊か!お肉も食べ応えのあるサイズのものがいくつも入ってました!
デザートのコーヒーゼリーがセットなのも嬉しい。コーヒーの風味や苦味がしっかりしたので、コーヒー好きには嬉しいデザートだと思います。
クリームもついてくるので、コーヒーの苦味が苦手な人はクリームで調整すればマイルドな味わいを楽しめます。
定休日 :水木 (但、定休日が祭日の場合は営業)
電話番号 :03-5668-6658
住所 :東京都葛飾区柴又6-1-5
地図 :Googleマップで確認する
アクセス :京成電鉄金町線柴又駅から徒歩5分 柴又駅から311m
公式サイト:やぶ忠
『男はつらいよ』の支度部屋だった!川魚料理「ゑびす家」
「ゑびす家」は『男はつらいよ』第一作目で、支度部屋として使われた名店です。
築100年を数える参道沿いの建物で、鰻を中心とした川魚料理を堪能できます。寅さんも宿泊したのだとか。
出典:食べログ
川魚をはじめ、柴又のおいしいものを詰め込んだ「川魚御前」は、JRの観光キャンペーンで作られたものです。
ちょっと贅沢をしたい気分のときにおすすめ!
営業時間 :11:00~22:00 (ラストオーダー)
定休日 :参堂店・料亭共に月4回不定休
電話番号 :03-3657-2525
住所 :東京都葛飾区柴又7-3-7
アクセス :京柴又駅から徒歩1分
金町駅/小岩駅から京成バスにて「柴又帝釈天前」で下車
地図 :Googleマップで確認する
公式サイト:ゑびす家
まとめ
大正ロマンあふれる柴又。映画由来の地はもちろん、グルメも景色も豊かな、休日にぴったりの場所でした。
素敵だったのは、地元の人たちがみんな柴又大好きなこと。歩いていると、気さくにおすすめスポットを紹介してくれる方が何人もいました。
人情を感じる街で、現代社会の忙しさから離れてのんびり過ごしてみませんか?