体験型レクリエーション施設「夕やけ小やけふれあいの里」をご存じでしょうか?
同施設は、子どもの帰宅を促すチャイムで聞きなじみのある童謡「夕焼け小焼け」を作詞した詩人・中村雨紅の生誕地、東京都八王子市上恩方町にあります。
広大な敷地面積を誇る園内には、牧場や体験学習といったさまざまなアクティビティーがあります。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症/以下、新型コロナウイルス)拡大による移動自粛が叫ばれる今、“都内にありながら四季折々の自然や動物に触れあえる場所”として注目されています。
今回は、そんな注目スポット「夕やけ小やけ ふれあいの里」に筆者が潜入。その魅力を探ってきましたよ。
やきいも大会/散策ゲーム
同施設は、年間を通してさまざまなイベントを開催しています。筆者が訪れた日は「やきいも大会」の開催日だったので、多くの親子連れで賑わっていました。
「やきいも大会」は、スタッフがたき火でじっくりと焼いたやきいもを楽しめる冬季限定の人気イベント(予約制)。また焼き上がるまでの間、園内を散策するゲームに参加できます。
筆者も「やきいも大会」に参加しました。
管理事務所横の券売機で入場券(大人200円/1日出入り自由)を購入後、星ふる広場(キャンプファイヤー場)の受付でやきいも代の300円(1本)を支払います。
この日のさつまいもは「べにはるか」と「ベニアズマ」の2種類。筆者は「べにはるか」をチョイスしました。
おいしくなあれ
選んださつまいもは、ぬらしたキッチンペーパーとアルミホイルにくるみ、たき火の担当スタッフさんに渡します。
散策ゲームのルールはとっても簡単。園内に隠れている60人の「里のこぴとさん」を探して、こぴとさんに書いてある文字を名前シートに記入していきます。
制限時間は、約40~50分後のさつまいもの焼き上がりまで。こぴとさんは折り紙で作った小さなもので、ただうろうろしているだけでは見つけられません。
こぴとさんの目撃情報をまとめた「こぴとさんたまっぷ」を頼りに、カラーコーンやベンチの裏をのぞいていきます。
この間に園内を大方見てまわれます。こぴとさんを見つけられなくてもやきいもは食べられるので、それぞれの過ごし方でゆっくりと焼き上がりを待ちましょう。
ちなみに筆者の結果は33人でした。制限時間ギリギリまで園内を見てまわりましたが、28人のこぴとさんを見落としていたようです。意外と難しい。
あたたまります
散策ゲームの後は、たき火を見ながら焼き上がったさつまいもを食べます。軍手をはめて割ってみると、甘い湯気が立ちました。
さつまいもをおいしく焼き上げる熾火(おきび)
調理に適した熾火(おきび)で焼いたやきいもはしっとりホクホク。落ち葉が焼ける香りに、日々の疲れが癒やされます。
キャンプ場
「やきいも大会」会場の星ふる広場(キャンプファイヤー場)の横はテントサイトがあるキャンプ場です。テントは大人6人が入れる常設テントがあり、設営の手間が省けます。
また、リアカーを借りられるので、荷物の積み降ろしや、園内の移動が便利です。かまどが8炉、テーブルが8台ある屋外炊事場は全て屋根付き。雨天でもバーベキューを楽しめます。
夕焼小焼館
「夕焼小焼館」では、童謡「夕焼小焼」を作詞した詩人・中村雨紅、独特の感性で北海道や八王子の美しい風景を切り取る写真家・前田真三の資料や作品を展示しています。両氏は恩方地域出身。親子が語り合えるあたたかい場所です。
中村雨紅は子どもたちに道徳心や豊かな感受性と自己表現力を育てる情操教育の必要性を感じ、童話を書き始めました。
こちらは前田真三のギャラリーです。前田真三は日本の風景写真の第一人者として世界に知られています。
こちらは市民ギャラリー「世界のほしぞら写真展」(土生祐介/2020年1月3日まで)。
御食事処「いろりばた」
季節の料理を提供する御食事処「いろりばた」。田舎の台所をイメージした家屋で、熟練の職人が打つ“本格手打ちそば”をいただけます。
窓際の座敷では、ゆっくりくつろげますよ。
同店のイチオシは「夕やけそば ふれあいセット」(1800円)。
“夕やけ”を描いた茜色のとろろにつけてすする手打ちそばと、地元農家の新鮮野菜を使用した揚げたての天ぷらが絶品です。
ボリュームたっぷり、もちもち
同店で販売している「三福だんご」(350円)は、「大福」「幸福」「裕福」の“三福(みつふく)”をもたらすめでたい団子。
炭火で焼いたお団子と「特製くるみ味噌」の相性が抜群です。
宿泊施設「おおるりの家」
湯船から眺める北高尾山稜の景色が自慢の宿泊施設「おおるりの家」。食事は御食事処「いろりばた」のコース料理をいただけます。
客室は全て和室(9室)。広々とした24畳の客室はグループの宿泊におすすめです。3階の大浴場は日帰り入浴の利用もできます。
1階にはイベントや会議などで利用できる「夕やけホール」があります。
ふれあい牧場
「ふれあい牧場」は動物と触れあえる同施設の人気アクティビティー。土日祝の好天時は、1回300円でポニーの乗馬体験ができます。
※対象年齢3歳~9歳
※12月~2月は馬場が凍結し危険なため休止しています
ウサギとモルモットには1回100円でエサやりも可能。
にんじんをかざすと「我先に」と猛烈に走り寄ってくるウサギや、キャベツをむしゃむしゃと食べるモルモットがかわいらしく、心が浄化されます。
ここにはヤギもいます。ちょっとおもしろい写真が撮れました。
芝生広場
「芝生広場」では、コニカミノルタサイエンスドーム(こども科学館)との共同企画「流星群観察会」を不定期開催。星に詳しいスタッフの話を聞きながら、街中とは少し違う季節の夜空が見られます。
日中はテントをたててお昼寝をする人や、レジャーシートを敷いてピクニックをする家族の姿が見られました。
隣には田植え体験ができる「体験たんぼ」や、日本の固有種・モリアオガエルが棲む「モリアオガエルの池」があります。
残念ながら今日はモリアオガエルは見られませんでした…。
まだまだある、ノスタルジックな里の魅力
この他、同施設には地元農家が育てた新鮮な農産物を販売する「農産物直売所」や、
北高尾山稜を経て、陣馬山、高尾山、八王子城跡へ至る遊歩道「夕やけ小やけ ふれあいの道」などがあり、1日かけてたっぷりと遊べます。
春から夏は、魚釣り(要入漁料)ができる清らかな北浅川や、水遊びができる「じゃぶじゃぶ池」が賑わいます。
大型の木製アクティビティもあり、思う存分体を動かすことができます。
「らくがき広場」では、カラフルなチョークで地面にお絵描きができます。お子様が楽しめるだけでなく、大人も懐かしい気持ちに浸ることができますね。
こちらは、1982年から2007年まで陣馬街道を運行していたボンネットバスです。真っ赤な見た目が可愛らしいですが、これに歴史が詰まっていると思うと感慨深い気もします。
アクセス(駐車場・バス)
アクセス方法は、公共交通機関利用の場合、京王・JR「高尾」駅よりバスで約30分。
車の場合は、圏央道「八王子西IC」より約10分、圏央道「あきる野IC」より約20分(駐車場200台完備/無料)です。
日帰りでのお出かけはもちろん、キャンプ場や宿泊施設があるので、泊まりでのお出かけもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?「夕やけ小やけふれあいの里」は気軽に自然と触れ合えるだけでなく、ノスタルジックな風景にも心が洗われるようでした。
家族の思い出づくりにはもちろん、ふらっと1人で散歩しに来るのにも良いですよ。人混みが特に気になる世情の今、ぜひ安心していける週末のお出かけスポットとして行ってみてはいかがでしょうか?
利用時間 :【4月~10月】9時~16時30分
【11月~3月】9時~16時
【4月29日~5月5日】9時~18時
【7~8月の土日祝日】9時~18時
【8月13日~15日】9時~18時
※イベント開催時は変更の場合あり
休業日 :年中無休
入場料 :【大人】200円【中学生以下】100円(土曜日は無料)【4歳未満】無料
※団体割引あり/障害者手帳、愛の手帳の提示により入場料免除
住所 :〒192-0156 東京都八王子市上恩方町2030
アクセス :【電車/バス】京王高尾駅・JR高尾駅北口から、西東京バス陣馬高原下行きで約30分「夕焼小焼」下車
【車】圏央道八王子西ICから川原宿交差点を経て、陣馬街道を約10分
公式サイト:夕やけ小やけふれあいの里
※価格は全て税込