目黒駅から徒歩3分で着いちゃう「大圓寺(だいえんじ)」。超都心にあるのに、環境もエネルギーも物凄いお寺なんです。「厄除け」のご利益が有名ですが、それだけではない都心のお寺「大圓寺」の魅力を、仏像マニアで仏教検定1級のツバキング がたっぷり紹介します!

アクセス最強のパワースポット!

「大圓寺」とは


目黒駅西口から行人坂を下ってわずか3分の場所にある大圓寺は、江戸時代の始め1624年に修行道場として開かれた天台宗のお寺で、正式名称を「松林山大圓寺」といいます。目黒は江戸城の南西にあたる「裏鬼門」と呼ばれ、その方角から江戸に入って来る悪い気を止める役割を果たしていました。

「厄除け」のご利益で有名なのは、裏鬼門を守っていたことからきているんです。

見どころ紹介

金箔を貼ってご利益を「金色に輝く仏像」


山門をくぐると、都心とは思えない静謐な空気が流れています。まず目をひかれるのが本堂の前に座っている金色に輝く仏像

これは病気や怪我の平癒にご利益のある「薬師如来(やくしにょらい)」で、体の悪いところに金箔を貼ると、たちまち良くなると言われています。

全身金色ということは、すでに多くの人の願いを受けてるんですね!

金箔を貼る際には、薬師如来の真言「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」と唱えます。

お経には意味がありますが、天台宗や真言宗(密教と呼ばれています)で唱えられるこの真言に意味はありません。

意味ではなく感じるのです。ある年齢より上の方はブルース・リーの名言を、ある年齢より下の方はアイドリング!!の曲を思い出す言葉「Don’t think Fell!」(考えるな、感じろ!)ということですね。

悲しい物語の「新百景」

本堂の左手に目をやると、思わず声が漏れてしまいそうになる光景が…。

慰霊のために作られた無数の羅漢像です。


江戸は世界屈指の人口密集地でした。街中ではぎゅうぎゅうに寄り添うように家や商店が建っていて、もちろんそれらは木造の建物。そのため、ひとたび火事が起きるとものすごい勢いで延焼し、多くの被害をもたらしました。中でも被害が大きかった火事の一つ「行人坂の大火」が、ここ大圓寺が放火されたことをきっかけに起こっているのです

死者・行方不明者合わせて2万人近くにものぼる大惨事でした。そうした人々の慰霊のために無数の羅漢像が、50年もの時間をかけて建立され、こうして現在も残っているのです。

「新東京百景」にも指定されている石仏群です。

不思議な姿の「とろけ地蔵」


羅漢像の前で、目を引く存在が「とろけ地蔵」です。その名の通り、溶けてしまったような姿で、なんだか恐ろしくも感じますね。元は漁師の網に引っかかったもので、その当時から痛みが激しかったようですが、その後、行人坂の大火に焼かれ今の姿になってしまったのです。

東京の歴史にも触れられる大圓寺ならではの光景ですね!

「特別な日」だけ見られるもの

ここまではいつでも見られるものですが、「特別な日」にしか見られない貴重な存在もご紹介します。


まずは境内の中央に建つ本堂です。大黒天の縁日である甲子(きのえね)の日にだけ扉が開かれて中を拝観できるのです。

甲子が巡ってくるのは60日に一度だけ!


中央に祀られているのが、60日に一度だけの特別な仏像「大黒天(だいこくてん)」。まあるいお姿が愛らしくも見えますが、よくよく見ていると裏鬼門を守るためのブラックなエネルギーを感じられるでしょう。


こちらの「十一面観音像(じゅういちめんかんのんぞう)」、現在は目黒区の重要文化財に指定されていますが、まもなく大規模な調査が入ることになり、ご住職の話によると「国の重要文化財」に指定される可能性もあるとのこと。

なぜなら、この仏像はお寺の創建より700年以上古い平安時代のものではないかとされており、この度、その部分について詳しい調査がされるといいます。失礼を承知でいえば、全国メジャーデビュー直前といったところでしょうか。そのほかにも、珍しい「三天大黒」や不動明王など、あらゆる仏像がひしめき合うように祀られています。

とっても濃い「仏ゾーン」です!

本堂の隣に立っている「釈迦堂」も、大黒天の縁日に合わせて60日に一度と、お釈迦様の誕生日(4月8日)、そして大晦日から1月7日までの限られた日にだけご開帳されます。

私はお釈迦様の誕生日を「ブディスマス」と呼んでいます!


国の重要文化財に指定されている釈迦如来立像(しゃかにょらいりゅうぞう)という貴重な仏像です。京都の清涼寺の釈迦如来(国宝)の形式を踏襲して作られた姿は特徴的で、仏像といえばパンチパーマのようなブツブツをした螺髪(らほつ)という髪型がおなじみですが、こちらの仏像は縄をクルクルと巻いたように表されています。U字に広がる衣の襞(ひだ)や、普通の如来像は片方にだけしかかかっていない衣を両肩にかかけている姿も、独特なのです!

営業時間 :8:00〜17:00
定休日  :なし
拝観料  :なし
電話番号 :03-3491-2793
住所   :〒153-0064 東京都目黒区下目黒1丁目8番5号
アクセス :JR 山手線/目黒駅 徒歩3分
公式サイト天台宗東京教区

大圓寺周辺のグルメ

コンパクトな境内ですが、見どころ満載の大圓寺を堪能したらお腹もすいてきます。
そこで、大圓寺周辺のおすすめのグルメもご紹介したいと思います!

バンコクオリエンタル


大圓寺から徒歩2分、目黒駅からも徒歩3分の場所にあるタイ料理店「バンコクオリエンタル」がオススメです。ランチタイムはタイ料理食べ放題の嬉しいビュッフェ形式のお店なんです。


階段を上るとタイらしい置物が迎えてくれます。

大圓寺は日本に伝わった大乗仏教のお寺ですが、タイに伝わった上座部仏教の流れも感じられますね!

スライドショーには JavaScript が必要です。

ずらりと並んだ料理に、ワクワクが止まりません。春巻きにチキンにガパオ、サラダやフライドエッグ、タイカレーも嬉しい2種類。もちろんデザートも食べ放題で大満足です!

珍しいタイのお茶も飲み放題で、どんなに我慢しても、お皿の上はこうなってしまいます。

遠くに見える遊園地のようですね。

トムヤムラーメンも用意されていましたが、さすがにお腹がいっぱい。次回のお楽しみにしておきます。

営業時間 :11:30~15:30(L.O.15:00)、17:30~23:00(L.O.22:30)
定休日  :無休
電話番号 :03-5719-0082
住所   :東京都目黒区下目黒1-3-1 シーダム目黒2F
アクセス :JR目黒駅徒歩3分
公式サイトバンコクオリエンタル食べログ

見どころ番外編

一億円のトイレ…とは!?

タイ料理の食べ放題を満喫し、お腹いっぱい。お腹いっぱいになったらトイレに行きたくなります。そんな方に是非訪れてほしいスポットを紹介します。

トイレに行きたい!でも普通のトイレじゃつまらない!


そんなときは大圓寺の隣にある「ホテル雅叙園東京」へ向かいましょう。こちらは90年以上の伝統を持つ老舗のホテルですが、2018年にリブランドを行い「ミュージアムホテル」として、伝統と未来が同時に体感できます。

宿泊客でなくても入ることのできる一階だけでも、ものすごい景色が体感できるのです。


入館してすぐ、奥へと伸びる廊下には日本の四季の伝統的な風景が並びます。


さらに進むと、そこは実写版竜宮城かと思うようなゾーン。外国人観光客の方はもちろん、日本人でさえもカメラを向けたくなるような、美しい作りです。


その先にあるのが、日本一豪華なトイレです。日本一豪華といってもトイレの豪華さなんてたかが知れてるとお思いかも知れませんが、こちらは「総工費1億円」と言われるトイレで、入口からすでに豪華絢爛が溢れ出しています。


中に入ってさらに驚き。トイレの中に小川がせせらぎ朱塗りの太鼓橋までかかっているのです。


天井には金箔で彩られた日本画が一面に広がり、個室の扉は朱塗りに螺鈿細工が施されています。

ソワソワして用をたすどころではないかも知れませんが、一度体感してほしいトイレです。

日本一のトイレでスッキリした後は、館内を散策してみましょう。


夏は涼しく冬は暖かい館内には、ダイニングバーやカフェ、レストランもあり、ちょっと特別な日のお食事にもピッタリ。中でも圧巻なのがこちらの「茅葺の日本家屋」。一軒丸ごと立っているのです。ここが室内であることを忘れてしまいそうな、まさに伝統と未来が融合した景色です。


庭に出ると、ゆったりと鯉の泳ぐ池の向こうに心地よい音を立てる滝。

これほど都心でこんなにマイナスイオンを感じられる場所は、他にありません。

さらに、この滝は裏側にまで回り込むことができ、轟音を立てて落ちる水流を間近に見ることまでできるのです。

営業時間 :24時間営業(飲食テナントの営業時間は下記公式サイトより要確認)
定休日  :無休
電話番号 03-3491-4111
住所   : 東京都目黒区下目黒1-8-1
アクセス :JR目黒駅徒歩4分
公式サイトホテル雅叙園東京

切ない恋物語「お七の井戸」

ホテル雅叙園東京の、入口のそばに思わずスルーしてしまいそうな見どころがひとつ。

大満足でホテルを後にしても、見落とさないでください!


お七とは江戸時代に実在した八百屋の娘で、火事によってお寺に避難し、その先でお寺に奉公をしていた男性と恋仲になりました。しばらくして八百屋と自宅が再建され、お七は自宅に帰ることになりましたが、男性と離れたくないと願うお七は「また火事になれば離れなくて済む」と思い自宅に火をつけてしまいます。

放火が最も重い罪の一つだった江戸時代、お七は火あぶりの刑に処され帰らぬ人となったのです。そんなお七を恋慕した恋人が、お七を弔いながら1万日もの間、目黒と浅草の間を往復するという供養を行いました。その際に身を清めていたのが、この井戸なのです。この物語は浄瑠璃や落語など、様々な伝統芸能の中で、いまでも語り継がれています。

まとめ

大圓寺を中心に半径たった1キロで、東京の歴史に触れお腹を満たし、豪華な空間に感動して切ない恋物語に思いを馳せることまでできます!

次の休日は、ぜひ大圓寺をおとずれてはいかがでしょうか。

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