漫才協会所属の漫才師、木曽さんちゅうです!
前回、私が紹介させて頂いたいろもの(落語以外の演芸)専門の演芸場・浅草東洋館!
こちらで漫才協会が毎月1~19日まで開催しているのが『漫才大行進』という公演です。
この『漫才大行進』には…テレビでも活躍中の漫才師・ナイツやU字工事も出演しております!私も前のコンビ・Wコロンの時から出させて頂いております。
『漫才大行進』には、ナイツやU字工事以外にも沢山の芸人が出ているんですよ。
そこで今回から…その御馴染みの2組以外の漫才協会のオススメ芸人をご紹介させて頂きたいと思います!
今回紹介する、皆様に是非観て頂きたい芸人さんは…同じく御馴染みの、現役最高齢芸人・内海桂子師匠です!
今回まずは人となりを紹介しつつ、舞台における桂子師匠の魅力をたっぷりご紹介したいと思います!
まずは内海桂子師匠をご紹介
1922年(大正11年)9月12日生まれ、2018年5月現在、何と!95歳!!
1938年に漫才師としての初舞台を踏み、1950年には弟子の内海好江師匠と≪内海桂子・好江≫結成。
その後、1958年に『NHK漫才コンクール』優勝、1961年には『芸術祭奨励賞』受賞、1989年には『紫綬褒章』受章などなど、数々の名誉を手にします。
しかしながら1997年、好江師匠が逝去されたことにより、桂子師匠はピン芸人に。
その後も変わらず精力的に活動を続け、今も舞台に立ち続ける“現役最高齢”芸人です!
細かいプロフィールは、所属のマセキ芸能社のHPを御覧下さい。
桂子師匠の事は当然ご存知の方も多いと思います、よくナイツもネタにしておりますし、ご本人も老いてなお盛ん、テレビなどにも変わらず出てらっしゃいますので。
ただ、“生で桂子師匠の芸を観た”ことのある人となると、その数はぐんと減ってしまうのではないでしょうか?
浅草東洋館は桂子師匠の芸を生で観る事の出来る貴重な演芸場なんですよ!
見どころ
オープニング!
さぁ、それでは内海桂子師匠の舞台の魅力に迫って参りましょう♪
オープニング…というのは、寄席の出番における表現としては変ですが、とにかく出囃子が鳴り、桂子師匠が出て来た時の盛り上がりは漫才協会でも随一と言っても良いくらい!
「待ってましたっ!」
…の掛け声が飛ぶ、これは看板芸人さんであればそんなに珍しいことではありません。
「桂子さん、がんばってぇ!」
…この“がんばってぇ!”の掛け声は、桂子師匠だからこそ!
まだネタやってないですから、これからって時の“がんばってぇ!”ですから。
最近は椅子に座られます。
この座られた瞬間に〔おぉーっ〕とでも言うような、心のどよめきみたいなのが劇場に立ち込めます。
〔うわぁ、本物の内海桂子だぁ〕といったところでしょうか、この出て来られた時の特別感は桂子師匠特有のモノ。
ちなみに浅草東洋館はステージが高いので、座ってらっしゃったとしても、観るにあたっては何の問題もありません。
そしてゆっくり…自己紹介から。
途中、ナイツ塙がモノマネ(?)している「あたしは昭和13年から漫才やってましてね…」の件が出て来たりして、お客さんはゆっくり噛み締めるように話す桂子師匠をとても温かい気持ちで見守っている、そんな感じ。
ところが桂子師匠はそんなことは意に介さず、徐々に“現役”であることを痛感させる語り口へと変貌していきます。
お客さんともガンガン絡まれますし、その一言一言はとてもスパイスが利いていて、思わず笑ってしまいます。
そして桂子師匠のエンジンが本格的に掛かり始めます!
銘鳥銘木(めいちょうめいぼく)
しばらくすると若手芸人を招き入れて、言葉遊びのネタに入ります。
写真のスパンコールのジャケットで跪いているのは…普段は漫談をやる芸人・中津川弦くん。
以前は色んな若手芸人が試練の場として桂子師匠の相手を務めておりましたが…最近は中津川くんがそのお相手を務めることが多いみたい。
この若手芸人を相手にして繰り広げられる言葉遊びのネタ“銘鳥銘木(めいちょうめいぼく)”とはどんなものなのか?
こんな調子です。
A・銘鳥銘木 木に鳥とめたぁ
B・何の木にとめたぁ?
A・〇〇“き”にとめたぁ※
B・何鳥とめたぁ?
A・〇〇“とり”にとめたぁ
…難しいですね。
例えば…※のところの〇〇を「ほう“き”にとめたぁ」と言ったら、次の「何鳥とめたぁ?」を受けて「ちり“とり”とめたぁ」と返す、とか。
あんまり紹介しちゃうとネタバレになっちゃうから、これくらいでご勘弁頂けたらと思うのですが、この言葉遊びが思わず「うまいっ!」て感じで感心させられちゃうんです♪
そして慣れない若手がお相手を務めた時がまた面白くて。
若手はいきなりの桂子師匠に緊張している上に、ルールも良く判らずあたふた。
そんな様子を桂子師匠が「あんた分かんない人だねぇ!」なんて調子で一刀両断にしていくんです、これがまた痛快で面白い!
これは相手によって毎回流れが変わるので…とてもスリリング、大きな見どころと言って良いでしょう!
都々逸(どどいつ)
これまた言葉遊びなんですが、節回しが独特で、七・七・五・七・七の節で、ちょっと艶っぽかったり、風刺していたりといった内容の定型詩なんです。
桂子師匠はこの“都々逸”を、自ら三味線を弾きながら詠われます♪
横で太鼓を叩かれているのは、大瀬うたじ師匠。
実に朗らかな雰囲気に包まれるのですが…そこにもやはりピリッと洒落の効いたフレーズが踊ります♪
内容は…皆さんが浅草東洋館に来られた時のお楽しみ♪
最後に
私は演芸場って笑ってストレス解消出来て、非日常が味わえ、なのにリーズナブルという、、、最高のレジャースポットだと思っているんです。
しかも映画と違って何せ“生”ですからね、その臨場感は何よりの魅力だと思うんです!
そしてその演芸場で“生の内海桂子”が楽しめる…何て贅沢でしょうか?
また、普段の生活において、楽しいことばかりじゃないと思います。
嫌なこと、辛いこと、悲しいこと、、、そして時にはくじけそうになることも。
でも、内海桂子師匠は95歳で今なお現役で舞台に立ち続けています!
そう考えたら…桂子師匠より若い私たちがくじけてる暇はありません!
余談ですが、毎日Twitterも更新されてます!⇒@utumikeiko
今なお現役で突っ走る内海桂子師匠95歳、演芸を超えて、観る人に活力を与えてくれる方やと思います!
内海桂子師匠も出演する浅草東洋館の、楽しみ方やアクセスは「浅草東洋館の楽しみ方!出ている漫才師が教える観覧マニュアル!」の記事をどうぞ!
《浅草東洋館》
営業時間:11:30~16:30
住所:東京都台東区浅草1-43-12⇒Googleマップ