今回は、2017年12月23日、東京国際フォーラムにて開催された、元サッカー日本代表選手中田英寿氏がプロデュースする日本酒イベント「CRAFT SAKE DAY FUKUSHIMA」をレポート。中田英寿氏の日本酒プロデュース活動を通して、福島の日本酒の魅力をご紹介したいと思います!


レポーターは日本酒大好きなライターひぐらし(左)です。

中田英寿氏がプロデュースする日本酒イベントは、今後も続いていくのでその参考にもどうぞ!

CRAFT  SAKE DAY FUKUSHIMAとは?

まずは「CRAFT SAKE DAY FUKUSHIMA」についてご紹介。「CRAFT SAKE DAY FUKUSHIMA」は日本全国300蔵以上の酒蔵へ足を運んだ中田英寿氏がプロデュースする日本酒イベントです。

そして近年、有楽町の交通会館をはじめ、ご当地フードは、大盛況。ご当地フードで人気なのは、北海道、九州ですよね!では、日本酒なら?答えは、「福島県!!」

福島は、2017年度の全国新酒鑑評会で、金賞受賞銘柄数5年連続日本一!日本酒出品数最多1730点、457蔵から、世界一の日本酒を決める「SAKE COMPETITION2017」では、4蔵が入賞実績。

そう、今最も日本酒の波に乗っている都道府県が「福島県」なのです!


「FUKU FES 2017-ふくしま大交流フェスタ-」のメインイベントとして開催された「CRAFT SAKE DAY FUKUSHIMA」!


入口を入ると、福島のご当地キャラ「しらかわん(白河市)」と「キビタン(復興シンボルキャラクター)」がお出迎え~♪


福島の国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」も!

(※野馬を捕える軍事訓練と捕えた馬を神前に奉納したことに由来)


「ホタピー」の姿も。ホタルとピーチが有名な桑折町市のアイドルなんですよ。福島は桃の消費量も日本一!


1日のステージプログラムはこんな感じでした。一番人気は、やはり福島県知事内堀氏と中田英寿氏のトークショーですね。

メインステージ以外では、大きく分けて3つ。グルメコーナー、CRAFT SAKE DAY FUKUSHIMA(日本酒コーナー)、工芸体験コーナーが楽しめる構成。会津、中通り、浜通りの3エリア別に、福島の老舗、人気店が出店していましたよ。

CRAFT SAKE DAY FUKUSHIMA (日本酒コーナー)システム


続いて「CRAFT SAKE DAY FUKUSHIMA」のシステム紹介。料金は、2500円「CRAFT SAKE スターターセット(酒器グラス+赤コイン6枚)」を購入。

※4枚1000円9枚2000円でコインのみを追加することもできる。

酒器グラスは、『フィーノ スタック』という商品ラインが2017年「グッドデザイン金賞」を受賞しているガラスメーカー東洋佐々木ガラスのものが使われていました。


後は、会場で飲みたいお酒をセレクト!

21蔵60銘柄以上の日本酒の中から、選べます。すべて、全国300以上の酒蔵を廻った中田英寿氏が厳選した銘酒。会場には、利き酒師が常駐しており、お客様の趣向や購入されたおつまみ、フードに合わせて、おススメの日本酒をセレクトしてくれます!


スタンドで、福島のグルメとともに銘酒を堪能~♡!

ここでは、特に人気の酒蔵7選をご紹介します!気になったかたは、ネットでも購入できるのでどうぞ!

人気の酒造7選

SAKE COMPETITION金賞2冠「寫楽」

 
福島県を代表する銘柄、宮泉銘醸株式会社の「寫樂(しゃらく)」。料理を選ばない至極の食中酒。ふな口からの酒を送り出すイメージを大切にし、搾りたての酒の旨味と躍動感を引き出す丁寧な酒造りが不動の人気の理由。
【受賞】SAKE COMPETITION2014 純米酒部門・純米吟醸酒部門 金賞二冠 、2013年から3年連続で全国新酒鑑評会の都道府県別金賞1位 等

手間と技を人一倍かけて 生酛にこだわる「大七」


最も伝統的な酒造りの方法である生酛を伝承。260余年の歴史がある酒蔵「大七酒造」の「大七(だいしち)」。生酛づくりは手間も技術もよりかかるといわれているが、大七酒造は95%の酒を生酛で作る。独自に超扁平精米技術を開発し、酒米の潜在力を引き出す研究も行い、革新しづづけている。純米酒は、白桃のような上品で甘味のある香りとコク、酸味が溶け合い後味のキレもよい。ぬる燗、熱燗にしてもふくらみのある味わいが楽しめるので、おすすめ!
【受賞】 宝暦大七 全国新酒鑑評会金賞、東北清酒鑑評会主席金賞 純米醸造で獲得 等

山田錦100%使用「会津中将」


鶴乃江酒造の日本酒「会津中将(あいづちゅうじょう)」。山田錦100%で作られることが特徴です。絞りには昔ながらの槽を使い、伝統的な製法で醸され、冷でも燗でも、米の優しい旨味が味わえます。SAKE COMPETITION 2017で、‘大吟醸ゆり山田錦‘が吟醸部門で入賞しました。
【受賞】SAKE COMPETITION 2015 純米大吟醸部門 金賞

甘いフルーティーな味に熱狂的ファンが多い「ロ万」


続いて「花泉酒造」。花泉酒造使用する米、酵母はすべて福島県産地元南会津郡産。写真の「ロ万(ろまん)」シリーズは、仕込み水に名水高清水を使用。伝統技法の四段仕込みで醸し、甘いやさしい口あたりがよい味が、ファンを虜にする理由。
【受賞】SAKETIMES 福島県日本酒ランキング3位

2013年から人気注目度急上昇している「廣戸川」


羽鳥湖高原の天栄村にある「松崎酒造」。そこの釈迦堂川(かつて廣戸川と呼ばれていた)の自然の恵みを井戸による天然水を使用した「廣戸川(ひろとがわ)」。「毎日飲む酒」を目指し、一般酒の開発しました。
【受賞】SAKE COMPETITION2014 Freestyle部門  SAKE COMPETITION2017  純米酒部門 入賞 SAKETIMES 福島県日本酒ランキング4位 等

創業300年の味!日本酒の深みが味わえる「奥の松」   

 
創業300年の歴史を持つ「奥の松酒造」が作る「奥の松」。越後の職人からの技(越後流・南部流による二本の松)によって醸された味は、さらっとしていて飲み飽きしないキレのある味。安達太良山に積もる雪が解けた水を使用し、豊かな自然の恵みのやさしさを味わいから感じずにいられない。
【受賞】全国新酒鑑評会9年連続金賞受賞、東北清酒鑑評会最優秀賞受賞 等

行列ができる日本酒店の「飛露喜」

出典:http://www.hechima.co.jp/~souta/hiroki/kura_shokai.html

最後は「合資会社廣木酒造本店」。福島県産の日本酒で今1番人気で話題性がある酒蔵ではないでしょうか。職人の廣木氏は、SAKE COMPETITIONの審査員も務めています。1999年に発売された新ブランドの「飛露喜(ひろき)」は、瞬く間に人気になった。月一回の発売日には蔵の前に行列ができるとか。喜びの露が飛ぶように、人がほっとする味を作りたいという思いのもと作られたお酒。
【受賞】SAKE COMPETITION2012 純米酒部門 金賞 SAKE COMPETITION2017 純米酒及び純米吟醸2部門入賞 等

ご当地グルメコーナー


会場にはお酒に合うご当地フードも揃います。少しだけご紹介します。

会場には、ソースかつ丼、塩ちゃんこ、なみえ焼そば、ほっき飯、喜多方醤油ラーメン、福島鳥白湯ラーメン、会津地鶏からあげ、あわまんじゅう、日本酒おつまみセット、酪王カフェオレ、プリン、ジェラート等15店舗が出店。酪王カフェオレを「なつかしいー」といって飲んでる声が多く聞こえました。

あわまんじゅうもわざわざこれ目当てにまとめ買いしている方も多く大人気。食べてみましたが、本当に美味。皮の食感が個性的で、まんじゅうなのに、あんこと一緒に口の中でとろけていきます。一度食べたらやみつきになること間違いなし!

お土産コーナー


会津、浜通り、中通りと3つのエリア別にお土産が揃います。私が一番驚いたのは、福島県が玉羊羹発祥だったっていうこと!(御菓子師 玉嶋屋)試しに二つ買ってみたら、全然羊羹のレベルが違いました。さすが老舗としかいえない上品でコクのあるどっしりとした味。


福島地元で今話題の九頭見菓子のピーナッツっ子!ピーナッツの甘い香りとほのかな黒砂糖のバランスがたまらない。サクサクとした和洋菓子サブレ。3本入って130円とは、コスパの良さに感動~。


日本酒ケーキも販売されていました!

その他、漬物、三五八、豆腐等の日本酒県らしき日本酒にあう食材、

しらす、あんこう、穴子、イワナ等の海産物も豊富に売られていました。

福島県小野町産の人気特産品黒ニンニクも発見!

あと、忘れてはいけないのが、えごま油。福島は生産量日本一!各店舗が自慢の手作り油を販売していましたよ。

また、ナシ、桃、リンゴ等のフルーツも盛んに生産されており、毎年トップ3に入っています。生のリンゴやフルーツのジャムも盛りだくさんでした!

工芸体験コーナー

体験コーナーでは、よく知られている「赤ベコ」「しめ縄」「木工クラフト」等の地域の工芸品が大好評。 

その他、「和紙すき」「山ぶどうストラップ作り」等、コンテンツが充実。 

体験コーナー以外にも、世界的デザイナーのコシノジュンコ氏と福島の伝統産業のコラボレーション作品の展示があり、みる人を圧巻させていました。

その他、福島の工芸品である二本松焼き、編細工も!

まとめ

震災から6年9か月で確実に前進した福島県。日本酒市場は漸進的に伸びてきた。その背景に、現福島県知事内堀氏は、日本酒の味を決める「ヒト」「水」「お米」以外に、福島のお酒には3つの強みがあるという。1つは、震災から全国の人々に応援されたやさしさ、2つめに震災に耐え忍んできた強さ、3つ目に全国の人に支えてもらったありがたさだという。

中田英寿氏が掲げる酒造りの概念「クラフト」=匠の技。これを福島弁では、おばあちゃんの手作り、丁寧、丹念にという意味合いで、「までぇ」というそうだ。日本酒、果物産業、水産業が盛んな福島県。日本酒にかかわらず、多くの産業がクラフト、つまり、ヒトの手のぬくもりと、地元の自然の恵みによって作られていた。

《取材協力》

株式会社 JAPAN CRAFT SAKE CAMPANY

《参考サイト》

FUKU FES 2017 ふくしま

ひぐらし

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